雨あがり
傘を用意して図書館へ出かける。出る時にはまだ少し降っていた。今年は仕事の都合で週末が休みになったので、午後から出かけることが多い。今週は図書館へ行くことにした。着いてから、いつものように二階へ上がり調べ物をした。
週末には混むことが多いのに、本日は二階で私一人。途中、司書の方が作業されることがあったものの、静かに考え事ができたのは幸運だった。二時間ほどいたと思う。
区切りがついたので、出て見ると雨が止んでいる。止んでいると言っても、晴れ上がるというのではなく、厚い雲に覆われたままだった。傘を畳んで帰途に就いたけれども、目に見えないような細かな霧の中を歩いている気分だった。
五月もこの辺りまでくれば檜の花粉も一段落しており、湿気が多かったにしても、周りの山景色が穏やかに見えたのでまあ良かった。なぜか寄り道する気にならず、一途に帰宅する。
一呼吸置いてパソコンの前で日常の作業をこなし、トイレへ立つ。途中、何となく空を見上げると、薄暗いままだった。
我が家は城下町の町家なので、ウナギの寝床のように長く、トイレは一番奥にあって、途中庭を眺められるようになっている。
事程左様に裏庭を見ると、ドウダンはもうすっかり白い華を落としており、ツツジは大きな花をぼつぼつ落としかけている。
そして庭の真ん中にあるのが紫陽花だ。雨ですっかり埃が流され、葉が新鮮な緑色をしていた。例年よりずいぶん背が低くなった。
今冬は雪が多かったので、ドウダンや柘植が雪の重みで枝が曲ってしまい、洗濯ものを干す邪魔になるので大胆に剪定した。私には細かな技術がないので、柘植などは半分以上裸になるほど鋸で切ってしまった。その時に、紫陽花の枝も花芽を無視して半分ほどの高さに揃えてしまったのである。
健気なもので、紫陽花も全体に葉を出して元気を取り戻したように見える。ただ、花をつけるかどうか分からない。自業自得だから心配してもしょうがない。正直言うと、私は派手な西洋紫陽花がそれ程好きではない。ただ我が家はガクアジサイなので、毛嫌いするほどではない。
雨ということで本日は買い物を勘弁してもらったが、明日はいろいろ避けられない事情がある。午後に行くとして、雨が上がってくれれば有難い。
近頃はスクーターで買い物へ行くので、重い野菜やら牛乳も苦にならない。スーパーの棚にも慣れてそれ程困らないようになっており、近頃では日常の一コマになっている。 髭じいさん