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認知症

私の親族やら友人の親など、数えきれないほど認知症の実例を見てきた。私が郡上を引き上げて一旦本貫地へ戻ったのもこれが理由だったし、これだけでなく様々な面で影響を受けてきた。楽しいこともあったし、辛いとも苦しいとも感じてきた。再度ここで暮らすようになっても同じで、身近な人なのに私の顔を不思議そうに見るのにも慣れてきた。

今朝、「玄関の表札の真下にブロックを置いたよ」という文を言おうとして、表札という言葉が出てこなかった。名札(なふだ)と言うのも変だし、別の言い方で説明する他なかった。

私は若い時から物覚えが良くなかったし、覚えようと努力することにも熱心ではなかった。かような訳でさほど語彙が多くない。とは言え、毎日見ているものぐらいは言えると思っていたらしく、口に出てこなかったのが何かしらショックだった。

若い頃なら気にすることもなかっただろう。長年目にしていても、実際に言葉として誰かに話すことがないので出てこなかったという認識だったと思う。

この歳に至り改めて脳が錆びついてきたのかなと思えるようになった。となると、他にも心当たりが出てくる。

元々人の名前を覚えることが苦手だったにしても、ちょっと会わなくなるとこれが金輪際出てこない。日々に疎しというやつで、遙か彼方へ去ってしまったように感じられる。皆さんはどうですか。

先日、運転免許更新の手続きに関する郵便物が届いた。高齢者講習を受けるだけでなく、更新の時点で後期高齢に達するということで、認知機能検査をしなければならないという内容だった。

私はこれからもスクーターに乗りたいと思っているので、これらのハードルを乗り越えなければならない。私が持っているのは普通免許なので、実際に乗用車で講習を受けなければならない。実際には車に乗らないので原付だけでもいいのだけれど、書面だけではよく分からない。厄介なのは「認知機能検査」である。事前に手数料を支払った上で、指定された検査日に行われると云う。資料によると検査内容は、

1, 16種類の絵を記憶し、後で回答する。

2, 検査日当日の年月日、曜日、時間を回答する。

となっている。2はともかく、1の内容にびびっている。私の能力では16枚の絵を記憶することは出来ないだろう。これは若い時でも無理だったと思う。実際にどういった風に検査をするのか分からないが、このままの内容では絶望しそうだ。

なぜこんな検査をするのか、なぜ手数料を取るのかにつき大いに疑問があるものの、決まったことはしょうがない。こんなことなら免許を返納しようかとも思ったが、こんな田舎では移動手段を失うわけにはいかない。生き抜くには立ち向かっていくよりない。                                               髭じいさん

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