ねぎ
寒いですね。この歳になると、暑いとか寒いが殊の外、体にこたえるように思う。生きている内は出来るだけ快適に暮らしたいというのが人情だろう。
我が家は明治初期に立てられてもので、高床になっており、冬場はとても寒い。土台が沈んで、玄関やら衾の戸がガタガタ音を出すし、明けにくく締まりにくい。隙間風が入り放題で、どうかすると家の外の方が暖かいこともある。
ただ江戸時代の雰囲気を残しているということで、天井が低く、暖房がよくきくという意味はある。
私が使っている二階の部屋は北向きで、屋根の雪もなかなか融けないし、我が家では最も寒い部屋といってよい。今年は、樋からつららが結構長く伸びていた。
私の部屋にはストーブも電気毛布もない。ここ数年湯たんぽも入れてもらっていない。暖房具が何もないのだ。虐待を受けているわけではなく、自分がそうしたいからそうなっているだけで、心配はご無用である。
何故こんなことになったのか、もうきっかけは覚えていないが、一つは新陳代謝がよくなったからか、足が冷たくて寝れないということがなくなったことがある。私は足先が温まればすぐに寝られるので、左程苦にならない。
去年の暮だかに、百姓をやっている友人に貰った野菜の中に葱が入っていた。今となっては多少土がついていたのか、綺麗に洗ってあったのか思い出せない。おいしそうな青ねぎで、根がそのままついていた。結構な量だった。一度に食べきれないだろうから、残りを裏庭にでも植えておけと言う。
言われるまま、整地して植えておいた。ぼちぼち摘んで使っていたが、雪が積もってそのまま記憶の底に沈んでいた。先週ごろだったか、庭の雪がすっかり消えていた。何気に見ると、弱々しくではあるが、葱が生き残っていた。
ここ数日、晴れて日差しが差し込むと光りが少しばかり強く、はっきりしてきたように思われる。裏の雪がすっかりなくなっている訳だから、さもありなん。
そう言えば、スクーターに乗って買い物に行く格好も変わってきた。雪の中を走る際には、頭に毛糸の帽子をかぶり、上下ダウンの上着、そして長靴というフル装備をして出かける。それがここ数日、ズボンの上にはいていたダウンを着けないで出かけている。
まだ外に出て葱の面倒をみる気にはなれないけれど、もう少し暖かになれば、周りを整地して草やらを抜いてやろう。結構な株になっているので、小分けして植えてみようかと密かに考えている。
まてまて、このまますんなり暖かくなると誰が決めた。まだ何度か雪も降るだろうし、甘い事を考えていると痛い目にあうぞ。 髭じいさん
