ボサノバ

季節は春まっ盛り。草木は芽吹き、風薫る。この季節にピッタリな音楽は、なんと言ってもボサノバだと思う。なんとなく物憂げで、それでいて心の奥底で何かが湧き立つようなリズムが心地よい。これで恋でもしていたら完璧なんだけれど・・・・・。ボサノバは1960年代にブラジルで誕生した。生みの親は、ジョアン・ジルベルトである。そしてアントニオ・カルロス・ジョビンとの運命的な出会いによって完成された。代表的な曲は「イパネマの娘」「ワンノート・サンバ」「コルコヴァド」「ビン・ボン」「黒いオルフェ」などがある。彼らの曲は瞬く間にブラジルを席捲し、有名なレコード会社のプロデューサに認められて渡米し、初舞台のカーネギーホールの数千の聴衆を魅了した。そして、その年のグラミー賞を獲得した。しかし成功と裏腹に、リーダー2人の路線はしだいに離れて行き、その後交わることがなかった。ジルベルトにとって、彼の歌とポルトガル語は不可分であり、またジョビンにおいてはボサノバをもっと世界に広めるためには英語の歌詞が不可欠であった。

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