良いお年を

 もう4年ほどのおつきあいになる劇団「La compagnie A~n」の明城由佳さんがクリスマスイブの日にかわいいかわいい女の子を出産されました。親戚のお葬式などでかなりへこんでいた僕にはとてもうれしいニュースでした。
 赤ちゃんに面会して元気をわけてもらった僕は近所のS氏につれられて三軒茶屋にジンギスカンを食べに行きました。S氏が「そこに行けば羊に対する考え方が変わるよ。」と言っていたほどに美味しいお店だそうです。「美味しいったって羊だろう」とあまり期待をしていなかった僕でしたがレアに焼き上がった最初の一切れを口に運んでぶったまげました。とろーりと神秘的なまでににやわらかいのです。「やわらかーい」とか「お口の中にひろがっていきます。」とかしか言えないテレビのレポーターなどを普段こき下ろしていた私たちは「やわらかーい」とか「お口の中にひろがっていきます。」とかしか言えないのでありました。上品な羊のお肉を食べ進むに従ってたしかに羊を巡る僕の認識は革命を起こしました。しかし、ちいさな切り身を見ていると生前のさぞかしかわいかったであろう子羊の姿も思い起こされてすこし切なくもなりました。
 さて、いろいろあった一年ではありましたが2003年は僕にはあまりろくなことが起きませんでした。厄年の次の年で気を抜いていたらすっかりやられてしまったというような感じです。来年は油断することなく鋭いまなざしでもって、迎えてやろうと思っていますが、どうなるでありましょうか。
 それではみなさん、良いお年を。

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