オリンピック

 1896年第一回のギリシア・アテネ大会から始まり、まもなく始まる、今年のアテネ・オリンピックで、108年目にあたる。近代オリンピックはその大きな目的のひとつとして、国際親善を掲げているが、回を重ね、規模が拡大して、そこで勝利する価値が高まるにしたがって、その時々の政治状況が大きく反映する事となっている。1936年のドイツ・ベルリン大会はヒトラーの国威発揚と人種差別の場となった。1972年西ドイツ・ミュンヘン大会では中東紛争が持ち込まれパレスチナ・ゲリラのテロ事件が起きた。1980年のソ連・モスクワ大会では、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議し、アメリカ合衆国を筆頭として西ドイツ、中国、日本などが参加をボイコットし、4年後のアメリカ・ロサンゼルス大会では、ソ連、東欧諸国が報復としてこれをボイコットした。このようにオリンピックの精神が度々危機を迎えながらも継続されてきた事は、オリンピックの持つ魅力が如何に大きい事かを物語っている。今回再び初心を思い起こさせるかのようにギリシア・アテネで開催される事は大きな意味を感じる。さて、4年後の2008年は中国大会である。オリンピックと同じように4年毎に開催されるサッカーのアジアカップは今回中国で開催され、数日前に日本の勝利で閉幕した。どんな大会だったを今更多く語る必要はない程に卑しいものを感じさせられた。4年後のオリンピックが見事に開催される事を祈ってやまない。

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