「空色勾玉」

千秋楽劇団ひまわりのミュージカル「空色勾玉」が終わってしまいました。僕はいま途方もない喪失感の中にいます。ぼんやりとオリンピックを観ているといつのまにか無意識の涙が流れたりします。予想はしていましたが、これほどとは思いませんでした。
しかし、同時にこの素晴らしい作品に関われたことがとても誇らしいのも確かです。役者一人一人の顔をスタッフ一人一人の顔を、思い出すだけで僕は幸せになることが出来ます。
 千秋楽は斎藤ネコ氏と見に行きました。彼はお愛想で誉めたりとかを絶対しない極めて厳しい審美眼の持ち主です。正直なところ彼にこの作品をどう評価されるのか、内心びくびくしていました。終演後彼を観ると、泣いていました。「それは、なみだ?」と訊くとうなずきながら一言「すばらしい!」と言って握手を求めてくれました。
何と言うことでしょう。キャストのみんな、スタッフのみんな、これはすごいことだよ。僕たちは斉藤ネコを泣かせたんだ。
 舞台は終わってしまったけど、僕たちは誇りを持って次の作品に挑むことが出来ます。こんな経験を僕は何度も何度も繰り返したいと思います。そうやって人生を過ごしていくことが出来たらどんなに幸せなことでしょう。みんな、また会いましょう。それまで、元気で。

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