最後の雪かき

今年度最後の雪かきという意味で、今生最後という意味ではない。今朝目が覚めてもそもそしてから起きてみると、外は一面の雪景色。見た時点ではぼた雪というやつで、湿気が多そうだった。五、六センチほど積もっていた。

今年は何故か湯たんぽも使わず冬を越してきた。暖房費を節約するというよりは、布団の中で素早く体を温めることができるようになったからだ。頭寒足熱というけれど、厳寒のこの地ではあてはまらない。愛用している綿入れを脱いで、頭からかぶりしっかり耳を覆う。これだけでなく、両肩にかけるようにして布団の中に入れる。これで手を温めるようにすれば、足の先まで結構短い時間で温まる。これにより首や肩が冷えなくなって、肩が凝るというような事がなくなったと思う。ただ寒い部屋とは言え、布団の中ですっかり外気を遮断してしまうと汗がひどく出て気持ち悪くなる。程よい空間があるのだ。

下に降りて玄関のすりガラスを通して外を見ても道路の白いことが分かる。周末なので小学生がここを通学することはないが、はてどうするか。このぐらいなら腰が痛いの、腕が腱鞘炎になるというようなことはない。

まずは毎日欠かさずやっている恒例のなんちゃって体操をしながら、もう雪かきをやる気になっている。体操の後すぐにやってしまうか、朝飯をすましてからにするか。

まだ降るかも知れないと思って手近なところに置いていた雪かきの道具をさっさと取り出した。この程度なら大きいプラスチック製のスコップで十分だ。私は雪かき用にフードのついた薄手のコートを使っている。手袋もつけて準備万端。さくっと道路わきにどけておく。終わって気がついたが、長靴ではなくスリッパのままやっていたのが間抜けだった。

そう言えば今年は娘に買ってもらったダウンのジャンパーを愛用してきた。私は冬場でも雪の合間に、スクーターで出かけることがある。もちろん道路に雪がないと確信できる時だけだがね。こんな時にはこれまで最強の革ジャンパーを着ていたが、今年はダウンを使ってみた。結構暖かくて、これからも使えそうだ。

裏庭のドウダンが赤褐色の小さな芽をたくさん出していたし、紫陽花も新芽を出していたのにこの雪だから、順調に花芽がつくのか気になる。散歩に出ると、桜町の病院前にある桜の七分ほど咲いている上に雪がかぶっていた。春を待つ気持ちもすっかり田舎風で、寒い暖かいを繰り返して段々体がほぐれて行くのが心地よい。雪はこれで終わりにしてほしいが、自然には逆らえない。                                               髭じいさん

前の記事

鶴沼

次の記事

ツクゼ