公害

今日は、虫の居所が悪い。こんな文章を人様に見せるのも失礼だが、頭の隅にこびりついて離れないから、一旦吐き出してしまわないと次に進めない気がするので、なるべく穏やかに書くことにする。
ある中学生が私に、「花粉症は公害なんかなあ」と聞いたのである。彼は、水俣病や八日市の煤煙、スモン病などを教科書で習い、自分で考えて私に尋ねたのである。私は虚を突かれ、すぐには返答できなかった。
私は愚かにも公害を、工場の排出物によって近隣の住民が健康被害などを受ける例しか考えていなかった。無論、高層建築による日照権の侵害や、空港や新幹線などの騒音公害も知らない訳ではなかったが、迂闊にも「花粉症」が公害であるかを充分に検討してこなかった。
私は暫く時間を置いて、「そうや、花粉症は公害や」と応えた。好きで花粉症になった人はいない。花粉症で苦しむ人は、恐らく一千万単位でなかろうか。これでは、将来に亙って社会を疲弊させてしまう。
戦後、木材の需要が高まり、建築材として杉・檜を奥山のみならず里山まで継続して植林した。だが木材価格の下落により、山林を手入れする余力のある地主が急激に減ってしまった。農山村部の急激な高齢化により、除伐及び間伐もままならないのである。
山林地主にしてみれば国家が補助金を出して杉檜の植林を奨励したのであるから、彼等に責任は問えない。国家の失政と言わざるをえない。責任は、法的にはどうであれ、国家や自治体が負うしかあるまい。これ以上、放置することは許されない。山林地主にしても、実際花粉が自分の山から出ているのであるから、知らん振りはできまい。彼等の元気を取り戻し、とりあえず下草が繁るような徹底した間伐をしてもらいたい。

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