時間
今日の話は時間についてであるが、私に残されたそれであって、格調の高いものではない。年を取るというのは経験を積む反面、ゴールは確定しがたいとしても、残り時間が確実に少なくなっていく意味がある。左程の実績もなく、拘ることが多くない私だが、これをどう使うかおおまかに考えてみたい。
若い時から未解決のままにしておいた課題が幾つかある。今となっては残された時間と能力を考えると、達成の可能性が全く見えてこず、寒々とした気分になる。愚かであることに気づかず、重い荷物を背負い過ぎたのである。
とすれば、時間を節約するために次元を上げ抽象して考えていけばよいというのは能力が高い人の意見で、私は「手ごたえ」というものを優先しており無理な相談だ。
また日常生活にとらわれず総合した視点からやるべきことを絞っていければよいが、ただでさえ世捨て人に近い身であるから、これ以上は浮世から離れられない気もする。
いっそのこと荷物を投げ出しゆったり何も考えず人生を楽しむというしくみでも、何だかしっくりこない。
こんな風に、あれこれ考えても妙案が浮かばない。
日常生活や学問では、例え領域は狭いとしても、精密でなければ役には立たない。確かに精密に考え着実に進む人なら、仕事でも遊びでも達成感を味わえるかもしれない。だが、なにせ雑な私は、雑に考えて、雑に生きている。今では、自分の間違いを見つけるのが生きがいになっている程である。
とりあえず温泉にでもつかって頭の中を真っ白にし、何回もやってきたように、その時点で頭に浮かんだことに飛びついて生きていくやり方を続けていく他ないか。