暖冬
誰でも感じていることをわざわざ私が書くまでもないが、私にとっても初めてのことなので書かざるを得ない。
十二月だったか、スコップと雪を運ぶソリを玄関に出しおいた。いつもの準備である。だが、スコップは一度か二度使ったように思うが、ソリはとうとう一度も使わなかった。冷える時もあったが、雪が降らず雨になってしまう。
ここから更に奥地に住んでいる友人がいる。毎年二三度は屋根の雪降ろしをせざるを得ない所で、多い時には雪の置き場にも困るそうだが、今年は一回も降ろさないですんだらしい。
私にとって、この暖冬はまずまず有り難かった。幾らかは暖房費の節約にもなっただろうし、何にせよ雪かきをしなくてすんだ。ただ、花粉の飛ぶ時期が早まり、二月の中旬に鼻水が出て涙が止まらなくなったのはあまり嬉しくない点である。
スキー場は降雪機で何とか雪を準備できたようで、それなりに賑わった話が伝わってきたが、春スキーみたいで雪質の良い状況が少なかったと言う。
奥山にも雪が少ないから、春から夏にかけて水不足にならないか心配がある。雨が降れば問題なかろうが、例年通りとすれば深刻になる可能性がある。
暖冬が、二酸化炭素による地球温暖化によるものなのか、エルニーニョなど一時の原因によるものなのかは分からない。
二酸化炭素による温室効果で温暖化したとすれば、事は簡単でない。97年の京都議定書に署名した国々に努力を継続してもらいたいが、非署名国であるアメリカ・中国の排出量が四割を超えるのであるから、これらの国に本腰を入れてもらう他ないことになる。
科学者にはこの温暖化の分析をもっと説得力のあるものにしてもらい、少なくとも大人が本気で話ができるようにする必要があろう。