厳寒
これを書いている今も、雪がちらついている。山深い所ほどではないとしても、今年は割合雪が多い。
我が家の屋根はほぼ東西に切妻になっており、東側に玄関がある。それほど日当たりがよいわけでもないのに、母屋の東側にあたる屋根の雪はもうない。西側は何回か雨に打たれているにも関わらず融けないで硬く凍っている。
通りに面した家は大抵同じで、東面する屋根にはほとんど雪がないのに、西面する屋根には相当雪が残っている。遠くに目を遣っても同じで、山の東斜面は雪が少ないのに、西に向かう斜面にはだいぶ雪が残っている。これを思えば、冬とはいえ、太陽の力は偉大である。
私の部屋は西北側にあり、屋根には雪が凍っており、あちこちの隙間から冷気が容赦なく入り込んでくる。特に夜は、相当冷え込む。命の綱は湯たんぽと言っても過言ではない。毎朝目がさめれば、自分の息で曇った窓ガラス越しに、屋根の雪を見るのが日課である。朝起きればすぐに出ていくので、暖房器具は部屋に置いていない。
小さな裏庭もまた西側にあり、積もった雪はだいぶ減ったが、柘植が雪の重みでひしゃげているし、柿の木も枝が大分折れている。今年も柿は手に入らないような気がする。
ドウダンも、なんとか真っ直ぐ立ってはいるものの、あちこち枝が折れてしまった。少しずつ降るのなら枝の雪を除くこともできたが、今年は何回か大雪が降ってしまい、どうにもならなかった。降る前の段取りが大事だと痛感している。
幸い肩や足腰に痛みがないし、今のところ風邪もひいておらず、雪かきする気力は残っている。逆に、雪かきをしなければならないから、それなりに健康でいられるのかもしれない。
だが強気でいられるのも長くはないだろう。そろそろ腰に疲労がたまっているし、朝早く起きることができなくなっている。花粉のことがあるから、そんなに春が恋しいわけでもないが、今朝、白く香しい梅の咲いている図が目に浮かんだ。