猫アレルギー

よんどころない事情で猫を預かることになった。数日前の事である。彼女は老猫と言ってよく、かなり大きい。最初は明らかに警戒している様子で、私とは距離をとっていた。私は自分から猫を触ろうとしないので、彼女も警戒を緩めなかったのかも知れない。一日、二日と日が経つにつれ距離が縮まり、段々私に体を擦り付けるようになった。膝の上に座るようになるのに四五日かかったように思う。この書き方なら、この猫と新たに付き合っているように感じるかも知れないが、さにあらず。

実を言うと、彼女がまだ若かったころにも預かったことがある。その時はどれぐらいの期間預かったのか記憶が薄れてしまった。このコラムで触れたことがあるような気がするので調べ見ると、「猫との一週間」(2011年1月17日付け)という題で書いていた。右上の「検索」の空間に題を入れて頂ければ見る事が出来ます。

猫がどれぐらい昔の事を記憶できるものなのか知らないが、今回と同じような過程を踏んだように思う。彼女の方は前回のことがすっかり消えてしまっているようだ。やっと馴染んできただが、まだどこかぎこちない。

前回は若い時だったので、急に全速力で駆け出したり、至るところで爪を砥いだりするなどヤンチャだった。好奇心の強い頃だったので、部屋を出る時相当用心していても、スルリと抜け出てしまって大騒ぎになることがあった。

今回は外への好奇心も左程でなく、前程は気にしなくてよさそうだと思ったのが間違いだった。迂闊にも、この前一度抜け出された。彼女の居場所としては、居間として使っている二部屋と台所なのでまあまあの広さがあるのでご心配なく。

私が寝る時は、下の部屋の電気を消してから二階の部屋まで資料を持って上がる。暗くて私の手がふさがっているので、彼女は前程素早いわけではないが、私と共に外へ出ようとする。玄関や裏口は締まっているので家の外へは出られないとしても、また居間へ連れ帰るのが厄介である。問題があるとすればこれかな。

彼女はこちらに着いた時から少し水鼻を出していた。幸い、餌も食べ水も飲んでくれるし、排泄も上手にするので生活に支障があるというほどではない。お互い年を取ってしまい、健康状態が気になるところ。

今回は数か月預かることになりそうだ。秋の花粉が一段落して体調もよくなってきたのに、鼻がむずむずして目がかゆい。体を洗ってもらっているので臭いはそれほどでないから、辛いというほどではない。                                              髭じいさん

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