ノーベル賞

おそらく世界でもっとも知られていて、権威のある賞は、ノーベル賞であろう。今年化学賞の部門で白川英樹氏が受賞し、日本人で9人目の受賞となった。ノーベル賞は、ダイナマイトを発明した、スウェーデン人のアルフレッド・ノーベルの遺言によって、彼の遺産およそ900万ドルをもとに設立され、1901年から始められた。今年でちょうど100年目となる。ノーベル賞は6分野に対して、世界で最も業績のあった人や団体に与えられる。医学・生理学、化学、物理学、文学、経済学、そして平和賞である。これまでの国別受賞者数におけるトップ3は、アメリカ合衆国の247人、次いでイギリスの98人、3位はドイツで、77人となっている。日本政府は”先進国の中で日本はあまりに少ない、その訳は国際社会における知名度が無いからである、”との「分析」から、スウェーデン科学アカデミーとの学術協同研究を行う計画が報じられていた。これは、賞を金で買うようなものである。賞とはまったく無縁の筆者ながら、発想において下品であると思う。真面目に言えば、賞は結果であって、目的ではない。唯それだけのことにすぎない。ここで筆者が感銘する事は、こうした発想を起こさせる、ノーベル賞というもののインパクトのすごさである。スポーツの世界における1位2位などはルールからして理解できるが、ノーベル賞などは基本的に較べられない分野において与えられる賞なのである。文学賞や平和賞などについては特に思う。数多「賞」がある中で、1世紀に渉ってこの権威を維持し、誰もが憧れる賞となった事は大変な事であるといえよう。「ノーベル賞」ものである?日本がもっと多くこの賞を獲得したいのならば、いっそ、「平和賞」を目標にしたら如何なものか。

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