旅の地域情報

「道の駅」が国土交通省により、平成3年に構想されて、平成5年から整備が進み、現在(平成13年10月現在)日本全国で649駅が登録され、621駅が営業している。「道の駅」の基本的な機能は、①休憩機能、②情報発信機能、③地域の連携機能であると言う。旅の途中で立ち寄られた方も多いと思う。その地域の特色のある内容が生かされる事を、これからもっと期待されてよい。現在では、旅人のための地域情報サービスの観点から見るとまだまだ情報が不足していると思う。▲筆者の多くない海外経験のなかで、カナダの経験から比較して、地域情報のシステムは圧倒的に不足していると思える。筆者はカナダのノース・ウエスト・準州の州都イエローナイフからバンクーバーまでおよそ2000kmほど一人旅をした。始めの1000km強をバスで、残りの1000km弱をレンタカーを利用した。広い国土で、点在する町や村はオアシスのような感じを受けた。町の入り口には必ず、「?」マークのちょっとした建物があり、その町の情報を提供してくれる。人口、公共施設、宿泊施設、産業、特産、文化などなど、いつも親切に応対されて、味を占めた筆者は休息などを兼ねて、できるだけ「?」マークの施設を利用して、旅を楽しんだ思い出がある。▲「道の駅」にこのような細かな情報を求めることは筋違いかもしれないし、需要と供給のバランスの問題で、筆者のような知りたがりは少ないのかもしれない。また、「道の駅」でなくて、ガソリンスタンド等の一部が、その所の行政と連携して情報を提供したほうが、よりきめ細かいサービスが得られる可能性もある。また、地域にとっては、発信する内容に磨きをかける努力がこれからは更に重要であり、私たちにおいては、パックツアーでなくて、自作の旅を、もっと楽しむ工夫をすると、人生はまた違ったものになるような気がする。更にいえば、ニュージーランドのように、漁港などを整備して「海の駅」が津々浦々に在れば、「日本のかたち」も豊かになると思うのだが。

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