たこすい?

 息子の通う小学校で不思議な遊びが流行っています。「あっちむいてほい」みたいな手遊びなのですが、「バリア」「ためる」「ファイア」という基本的な三つの「手」で遊びます。「ぱんぱん(手拍子の音)、ためる!ぱんぱん、ファイア!」という掛け声と共に勝負をしますが、これに学校ごとのオリジナルの「技」(レーザー、毒、シャチ?ノミ??万華鏡???等々)が組合わさってワレワレ大人にはついていけないほどの複雑な攻防が展開されます。家の息子と近所の3年生Mちゃんは違う学校に通っていますが、しばしのルール確認をすれば一緒に遊ぶことが出来ます。せーの、で始まるその勝負は想像を絶するスピードで行われます。理解できないまま勝敗が決まり、すぐさま次の勝負に進みます。大人達は呆然と取り残されるばかりです。
 子供達はしばしば独自の文化を発展させて驚かされることがありますが、今回のは感動的ですらあります。共通したルールの元で初めてあった子供同士でも遊べる、というのは「遊技王カード」とかポケモンのゲームなんかと同じですが、大人のお仕着せでなく子供達の間からおそらくは自然発生したと思われるその成り立ちが小気味良いではありませんか。うらやましいのでルールを教えてもらって遊びに加わろうとしますが大人のアタマではどうしても理解できないのもミステリアスで魅力的なところです。
 その遊びはいったい何という名前で呼ばれているのか、というコトを尋ねますが、Mちゃんは「名前なんか無いよ、これやろ、っていえば通じるから。」と遊びのポーズをします。家の息子は「うーん・・・」と考えた後「たこすい」と答えました。たこすい・・・?いったい何のことでしょう。謎はいっそう深まるばかりです。
 この遊びははたして世田谷区のこの辺りだけで流行っているのでしょうか、それともすでに全国に流布していてあちらこちらの小学校で「ぱんぱん、バリア!ぱんぱん、ファイア!」などという掛け声が飛び交っているのでありましょうか。

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