落日
東アジアの虎として名をはせた韓国は今やその勢いが消え失せているように見える。朝鮮戦争の焼け野が原から立ち上がり、自立した国家として目を見張るような復興を成し遂げた。「漢江の奇跡」と呼ばれることがある。
この復興の原動力となったものは、民衆の力であったことは言うまでもない。これを土台にして国家百年の計をたて、自立していけばしっかり安定した社会を築けていけただろう。
だが経済がそれなりに安定し国富を蓄積し始めるや、過度な民族主義が顔を出し始めた。「漢江の奇跡」の原資となった日本やアメリカの資金や技術のことを忘れ、凡て自力で成し遂げたと強弁し始めた。
朝鮮戦争後まもなく、李承晩ラインを引いて竹島を韓国領であると主張し始めたあたりが偏向の契機になったのではあるまいか。
徐々に自国の教科書には反日の記載が溢れ、靖国神社への公式参拝に口出すなど他国へ内政干渉までするようになった。
日本の朝日新聞による「慰安婦」に関する誤報やら、「徴用工」の戦後補償について繰り返し謝罪や補償を求めるなど、解決済みの問題を外交カードとして使ってきた。これにある程度応じた日本政府の態度は大いに問題だったが、この辺りまでが絶頂期であったといえようか。
韓国国内では、日本の技術支援やら資金援助やらで鉄鋼、造船、自動車、半導体などの産業が勃興し、輸出主導のモデルで運営できるようになったかに見えた。
だが自立するための土台は弱いものであった。国家の統計にしても水増しがひどく信頼できないし、しっかりした技術の蓄積もなかなか進まない。
まず経済の根幹をなす輸出入がドル決済であり、韓国内にある銀行の信用では国際的には通用しないので、日本のメガバンクの信用状が必要だ。
また主要産業に成長した鉄鋼、自動車などの産業においても、日本の技術に依存することが避けられない。
今や国家を支える産業となった半導体分野においても、日本の素材や製造装置にたよらざるを得ない。
国家と国家は一方的な関係では長続きしない。互いに譲り合う精神が必要である。韓国はどうやら、自らが日本よりモラルとしても技術力としても上位にあると錯覚している節が伺える。
国家間の約束をいとも簡単に破り、ゴールがいつも定まらない。自らの立ち位置が危うい土台に立っている意識が薄く、前のめりの政策が多いので信頼関係がなかなか築けない。
ホルムズ海峡の封鎖をきっかけに、原油の備蓄やら外貨準備の張りぼてがあきらかになり、国家リスクが表面化して通貨安になるなど、信用状の見直しが始まっている。真摯に歴史を見直して、国家を再建してほしい。 髭じいさん
