馬鹿は風邪をひく

この間、風邪をひいた。熱があり、喉は痛むし鼻水が止めどもなく出た。やりたいこともあったが、何も手につかない。幾分か楽になると、起きてごそごそするから、またぶり返す。
年齢を重ね、幾らかは賢くなったと思っていたが、とんでもない。自分の体調も分かっていないのであるから、嫌と言うほど、愚かさを引きずっていたのだと再確認せざるを得なかった。
風邪はひかないのが一番。風邪をひいてしまえば、寝るのが二番。体を冷やさず、消化のよいものを食べ、リラックスして寝転んでいるのが良いことぐらい知っている。
私は苦しむのは嫌いだ。なのに、風邪をひいた。これは用心と脳味噌が足りないからとしか思えない。やらねばならない仕事があっても、何とか工夫すれば、体をこわすことにはならない。体をこわしてまでやる仕事があるだろうか。
こんな状態がぐずぐず二週間ほど続いた。ようやく馬鹿な自分に気づき、薬も食後に必ず飲むようになって、やっと楽になったのである。
このミニ闘病生活で得たものは少なくない。まず、自分があきれるほど馬鹿だと気づいたこと。風邪はひきかけの時が勝負である。ここで無理をしてはいけない。こんなことは百も承知であったはずなのに、夜更かしをしてしまった。年を取ると無理が利かなくなることを身にしみては分かっていなかったのである。
次ぎに、家族の思いやりだ。例え風邪ぐらいであっても、一人でこれに耐えるのは厳しい。周りに家族が居るだけで、心強い。年齢を重ねるほど、一人の寂しさはつのる。
「馬鹿は風邪をひかない」なんて、いい加減なことを言うなよ。

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