根気
歳をとって根気がなくなってきたかなあと思う。子供が独り立ちして自分のできることが少なくなったと感じるし、遠大な構想を立てて一歩一歩詰めていくには時間がないような気がするからかもしれない。
だからと言って、毎日の生活に追われている現状では、生きる気力がなくなったとまではいかない。むしろ、生きんがため細かいことにあくせくし、思うように成果が上がらず疲れやすくなっていると言うべきか。
生計のめどが立たず、疲れ果てて、休みが必要な人もいるだろう。例え生活ができているとしても、子育てや難しい仕事で自分を見失ってしまい、ただ何となく生きていても根気がなくなるものだ。安易の道には魔力がある。
運よく好きなことを仕事にできた人でも、仕事となれば、毎日最善を尽くさねばならないし、妥協が必要な場合もあるだろう。精神疲労が蓄積すれば、後先のことが考えられなくなり、やはり根気を失う。好きな遊びをやっていても、条件が一つ一つ失われていけば、やはり途中で投げ出すことになる。
根気につける薬はない。上手に休むほかないだろう。私の場合、睡眠がうまくとれた翌日は割合やることがスムーズで、やるべきことが次々と見えてくるので、結構長い時間でも同じような作業ができる。こんな時はコーヒーもうまいし、休み時間も充実する。ところが、つまらないことが頭に浮かんで眠りが途切れたり浅い時には、朝からやりたいことが手につかず、なかなかスタートする気にならない。たとえスタートできても、ただ目と手が動いているだけで、やり続けることが苦痛になる。
人生は数十年だとしても、今しか生きられない。充分に休んで根気を取り戻し、より広く、より深く今を楽しみたいものだ。