ミスノート

私はワードを使って文章を作成しており、このコラムもその一つである。ここでは、私がよく犯すミスを取り上げてみる。勿論、誤字脱字の類が多い。
まず誤字の場合はいくつか型がある。
１　本文をよく読まず、形のよく似た字を選択して、文意を損なってしまう。「未」「末」、「己」「已」など。
２　文意が取れない難文では、誤字のために余計難しくしていることもあるが、それぞれの字形に配慮が足りずに誤ってしまうケース。
３　私は、漢語の連語ないし熟語の一部を使って入力することが多い。誤った変換をそのまま使っていることがある。自筆であればまず間違うことがないものでも、変換された文字で何となく正しいと錯覚してしまうのだろう。たとえ変換までうまくいっても、別の文字を選択している場合や、他方の文字もそのまま消去せずに残してしまっている場合も見受けられる。後者は、意識が次の文章に向っているので、積み残しになっているためだろう。できるだけ区切りのよいところで見直すようにしているが、心急く場合などに端折ってしまうことがある。
この他、思い込みが強くて「一」「二」を誤ったり、「十」「千」を書き違えるようなこともあった。
脱字の場合も幾つかパターンがある。単語のみならず、連語や、果ては一行全体を書き漏らしていることがある。疲労などで先を急いでしまい、文章をしっかり読まなくなっていることが多い。
１　単純なミスで、ただ見落としているだけ。
２　難しい字形で、先送りにしてものをすっかり忘れてしまった。
３　本文を理解できず、文字の羅列と考えてしまう。つまり力が足りず脱字している。この場合は、誤字も含まれる。
この他、難字に関して手に入るフォントにそれとして見当たらない場合、楷書体などで代用するが、一人相撲をとってしまい見当はずれの字形を選択していることがある。
また長い期間にわたって同一史料を使っていると、以前の書式や文字指定が異なっていることがあり、今でも統一したスペースになっていないところが見受けられる。こういう場合が、間違いの原因になることもある。
この他、自分の意見を挟んだところで幼いものが多々あり、大幅に修正せざるを得ないこともあった。以上、愚かな私の失敗例を見ていただいたのは、一方で私が少しでも間違いを減せるよう頭に叩き込むためであり、他方で何かの参考になるかもしれないと思ったからである。