隣近所と仲よく
何かにつけ隣近所との付き合いは避けられない。どうせ避けられないのであれば、仲よくやるのがよかろう。何回か前に触れた屋根の修理が、家主の理解が得られて始まった。屋根をはぐらず、新たに垂木を打って補強し、その上に針葉樹系の合板とトタンをはるというものだ。
郡上ではすでに踊りのシーズンが始まっており、大まかな作業を一気にやりたいということで、大工と板金屋の作業が共に屋根の上で始まった。
もともと隣との境界で水仕舞いに問題があり、いろいろ工法を考えてみたが、どうやらこれにも費用がかかりそうな気配である。
下隣りの人に現状を確認してもらった。工法を最終決定する必要があるので、できるだけ早いほうがよいと判断した。
よく話を聞くと、我が借家の屋根が境界から隣りの領分へ出ているらしい。私の記憶が間違いなければ、この家は棟札に明治三年の築とあり、大改築された形跡がないので、建築当時に遡って境界を越えていたことになる。裏の石垣の基礎部分もまた同じだ。家主なら一言あっても不思議がない状況になっている。
ただし現在の土地所有権は登記を基準にしているだろうから、そうなった経緯を研究する余地はあるとしても、法に従う必要がある。
隣りとしては、自宅の窓の上に庇をつけるのは同意するとして、これまでの経緯から費用を負担できないという。となると、やはり工法が問題だ。もたもたできない状況なので、簡単な庇をつける辺りが落としどころかもしれない。
上隣りとの境界では現状を復元できるので問題はない。両者で改めて見ると、隣りのアンテナが我が家の屋根の上に出ているのが確認できたが、お互いさまということで了解しておいた。
昨日、作業が始まった。町屋のことで家が立て込んでおり、合板を屋根に上げるのが厄介だったが、さすがに段取り宜しく短時間で上げてしまった。
一日ではり終えてしまいそうである。ただ、細かな仕事を頼んだので、今日中にはどんなものか。
トタンは迷いなく厚いものを選んだ。色については、少しばかり時間がかかった。夏のことを思えば白っぽいものだろうし、黒っぽくすれば雪が解けやすい。
郡上は山中とはいえ夏は暑い。黒いチャンを塗っている現状でも熱がこもって、二階は暑苦しい。まてまて。我が家は冬場に雪の重みによって戸の開け閉めが堅くなる。夏場でも、風が通りさえすれば、涼しくなることもある。結局、黒に決めた。
作業車の駐車を向かいの家に頼んだし、裏庭の柿の木を切るについても相談する人がいる。周りの理解が欠かせない。