お盆休み

このサイトもお盆休みで、私もまたしばらく骨休めできた。田舎へ帰る人は行き返りに苦労しているかもしれない。
徹夜おどりも本日が最終日。幸い今のところ天気に恵まれ、最後まで雨にたたられることはなさそうだ。私の記憶では、ここのところ毎年、期間中にひどい雨が降っていたように思う。
既に孫を迎える立場になって十年以上が経つ。実はこれと、ペンネームとなっている「髭じいさん」はリンクしている。もうはっきりとは覚えていないけれども、初孫ができたのをきっかけにしているのは確かだ。誰かが面白半分に薦めてくれたように記憶している。よほど嬉しそうにしていたのだろう。これほど長く書くとは思いもよらなかった。
爺のキャリアが長くなれば、当然、体力が落ち根気もへたる。これとは逆に子供たちの活力がますます旺盛になっているわけだから、事あるごとに、彼らのペースがきつくなる。たまに顔を見るだけなので、むろん帰ってくるのは嬉しい。が、年寄りだけの静かな生活が一変し、食生活を含めて子供たち中心の生活にならざるを得ない。
くたびれ始めると、帰る日がいつだったかを思い浮かべるようになる。薄情だと言うなかれ。これが本音なのだ。実際に帰ってしまうと寂しい気がするものの、何か憑き物が落ちたように安堵する。
何を思ったか、バイクで明宝まで行ってきた。友人宅を訪ねてみると留守。普段ならここで諦めるところだが、天気もよいし、時間はたっぷりある。
確か彼は歴史民俗資料館で働いているはず。そこで不安をよそに気良筋を上がっていくと、存外簡単に見つかった。資料館は小学校の跡を使っているからか広々しており、木々も手入れされ、気持ちよい空間になっている。狙い通り友人の出勤日であり、彼がたまたま表へ出ているタイミングで、具合よく逢うことができた。
他に見学者が居なかったからだろう、案内してもらえることになった。収蔵量がまことに多く、テーマごとに分けていたが、私の容量では多すぎる。
これを察してか、彼は目に付く資料に絞って解説してくれる。日常雑器のほか、冠婚葬祭に使う道具や、田畑や山で使う作業具など途方もない量である。印象に残ったもののうち、今回は二三拾うのみ。
藁を編んで作った草鞋や蓑の種類が多く、ここの風土を思い浮かべるのに便利だった。蓑でも雪用と雨用で編み方が違う。雪用は粗目で雪が積もりにくくしているように見えたし、雨用はきつく編んで雨を弾くようにしている。草鞋にしても、種類が多いというよりは、それぞれオーダーメイドで作られている様だった。
石器もかなり収蔵され、黒曜石も展示されていたが、下呂石の割合が多いことに触れておかねばなるまい。

前の記事

水との格闘

次の記事

「寒水」の読み方