温泉旅行

郡上でも新型コロナに感染した人が出た。今のところ何とか二人で踏みとどまっている。一人目が出た際には、酷い仕打ちとかはなかったと聞いている。周りの人も心配だったろうが、自制がきいていたようである。これまで周りに迷惑をかけたくないという思いがあったが、私も一人目になりたくなかったというのも事実だ。

先週、近場の温泉へ行ってきた。少なくとも数年に一度は出かける。新しい場所を開拓するのも面倒なので、いつもお世話になる常宿だ。私は終始行く気満々であった。ちょっと言いにくいけれども、人数は七人の大所帯である。

結構前に計画していたものの、コロナ禍の最中ということもあって、ずっと行くかどうか迷う人がいたようだ。結局全員行くことに決まったのは一週間ほど前だった。年寄りが罹ると重症化することがあるし、肺気腫や高血圧などの病気持ちもいたので、皆マスクなど装備をしっかりするということでやっと決まった。宿の近辺でまだ感染者が出ていないことも考慮されたようである。

大抵この時期に行くことが決まっているので、「Go-To-Travel」キャンペーンとは関係なく決まったのだが、誰かの発案で宿に尋ねてみると、これが使えることになった。新型コロナで細った旅行業者などへ金回りをよくするのがキャンペーンの主旨だろうから、それなりに理解できる。宿代の35パーセントがカットされる上、もう15パーセント分が商品券の形で配布されるという。合せると半額が補填してもらえるのだ。これがどの県でも同じなのかどうか知らない。今回は珍しく身分証明できるものを携帯した。

着いてからさっそくいろいろな湯につかり、心身ともに暖まった。また、温めの朝風呂へ入り、旧友とよもやま話を喋るのも格別だった。入浴後、寝転んでうとうとするのがまた気持ち良い。

実際に支払う段になり、とても有難いと思った。が、遊びにいくのなら自費で払うのが当然である。一部とはいえ公費で補填するわけだから、旅行に行けない人の税金も入っているだろう。少しばかり後ろめたい気になった。今回は頂いた商品券でお土産を買い、更に翌日の昼食をも食うことができた。今もすっきりとはしていないけれども、事実として受け入れようと思う。

幸い皆元気に帰り、一週間たっても症状がないので、何とかクリアできたようである。自粛している人から見れば、いい気なもんだと感じるかも知れないし、税金をあてることが腹立たしい人もいるに違いあるまい。

まあまあそう怒らずに。経済が逼迫してしまえば社会は成り立たない。感染症を抑え込みながら、両立する道を探る他あるまい。                                               髭じいさん

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