寒波

寄る年波に勝てずというやつで、寒さが骨身にしみる。鍋料理が恋しくなる季節だ。初雪が降ったのは三四日前で、ここら辺りではちらちら降るだけだった。薄化粧と言った態で昼間にはすっかり消えていた。雪かきを覚悟していたので拍子抜けである。東北では大雪で大騒ぎになっているのに、何だか申し訳ない気分だ。

これまで我が家の構造について書いてきたのでここでは省くが、床下がスースーして冬場は誠に寒い。また明治の初めに建てたものなので、あちこちの隙間を防ぎようがないほどである。好きで住んでいるのだから、こんなことを嘆いたところで仕方がないし、誰にも文句は言えない。ただ昔の造りなので天井が低く、割合暖房がきくのが救いと言えば救い。町家ではほとんど囲炉裏を見かけない。

雪国では洗濯物を乾かすのも一苦労である。もとより冬場は晴れが少ないし、外で干すと凍ったりするので、条件の良い日が限られている。というようなわけで、どうしても石油ストーブの周りで乾かすことが多くなる。

長い時間ストーブを焚いていると空気が乾燥して喉をいかれることが多いので、我が家では必ずやかんを置くようにしている。湯が沸いていればコーヒーを淹れたりできるし何かと便利である。

例年なら師走に入ると湯たんぽを用意してもらうが、どういう吹き回しか、今年はまだ使っていない。湯たんぽがなければ、我が寝室に暖房器具は全くない。同年代の多くは就寝が速くなるというのに、私が寝床に入るのは未だに真夜中である。冷たいベッドに潜り込む他ないが、大人しくしていると結構早く手足が温まる。例年より温まる時間が短い気がする。足先が冷たいまま長い時間寝れないということがないのだ。

塩分を多く摂っているわけでもないし、アルコールで体を温めているわけでもないのでなんだか不思議だ。少しは新陳代謝がよくなっているのか、寒さ対策が功を奏しているのか。無論意地を張るつもりはないし、途中で折れたところで何の文句もない。まさに年寄りの冷や水というやつだ。ちょっとした勢いに過ぎないので、どこまでやれるやら。こんなことを書くだけで心配される立場になってしまった。

ここ数年雪が少なく、しっかり雪かきをしてこなかったので辛さを忘れかけている。少しやるだけで腕が張ったり肩が凝ったりする。腕や肩の筋肉がすっかり落ちているようなので、休み休みやるしかない。もっとも心配しているのは腰がだるくなることである。これは厄介だ。少しは腰や腹筋のトレーニングをしてきたので、そこそこ戦える気もする。                                               髭じいさん

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