生老病死

この歳になれば死に直結する病気も多い。コロナ禍では身近にそんな話しがあったし、癌を患って闘病している人も少なくない。糖尿や高血圧など生活習慣病についても、身の周りで話が尽きない。

数年前、私の知り合いが「くも膜下出血」であっけなくみまかった。数日前に顔を見ていたので、なかなか信じられなかった。彼は四十代だったか、まだ子供が小さかったと思う。こんな狭い所ですし詰めに暮らす町家だから、他にも話は聞こえてくる。

ほぼ同年代で、くも膜下出血を患い現在闘病中の人がいる。非常に危険な状態だったらしいが一命をとりとめ、症状が改善しつつあるらしい。楽観はできまいが、一歩ずつリハビリを進めているという。本人も家族も大変だろう。良くなっているということなら張り合いも出てくる。長い道のり、陰ながら応援したいと思う。

思い起こせばここ数十年、自分のことで入院や病院通いをしたのは一度きりである。ストーブに載っているヤカンをひっくり返して、熱湯を左下肢の裏にかけてしまい相当な火傷を負った時だけだ。

これを除けば、生来億劫だったことも相まって、病院へ通うことがなかった。が年寄り病か、あちこち変調をきたしている。目が見えにくくなるとか歯が無くなっていくなどは、よほどの環境で覚悟のある人でなければ、まず避けられない。こういった機能低下はあらゆる場面で目立ってきている。手や足の皮膚がたるみ、無数のシミが出ている。喉周りの皺も隠しようがない。筋力が弱って姿勢が悪くなり内臓に負担がかかるからか、胃の調子も今一歩である。

もっとも恐れているのが認知症だ。これが高じると、やはり寿命を縮めるらしい。この間までしっかりしていた人が同じ話を繰り返したり、徘徊する話はあちこちで耳にする。認知症と言っても、いろいろな症状があるらしい。食事や金銭に拘る人、家族や友人の事などが気になって徘徊する人などである。認知症に掛かっている人の家族が大変なことは言うまでもない。周りができることは限られている。近所の人のみならず、施設や公の細かなバックアップが必要な所以だ。

運転免許の書き換えで後期高齢者に課されている認知症テストが近い。友人達の話によると、結構難しいという。これも心配だが、近頃背中に腫瘍ができて中々治らない。病院へ行って診断してもらおうか迷っている。                                               髭じいさん

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