ジグソーパズルの楽しみ方

トランプのクラブのような形をした何百個といった数の一つ一つを組み合わせて一枚の写真や絵を作る遊び道具をジグソーパズルという事はご存知だと思う。そのどれも全く同じものがなく微妙に違っていて、無理にはめ込むと完成できない。それ故に最後の一個がぴったり収まったときの満足感は応えられないものがある。箱の中にはちゃんと糊が入れてあって、もうバラバラにならないようにできる配慮が心憎い。更に、それを額に入れて誇らしげに飾ることができる。それぞれの大きさの額縁が、パズルが陳列してある隣に置いてあったりする。実は、このパズルの遊び方は、このようなものではない。完成したら、シバシ満足感に浸り、そして潔くバラバラに崩して箱の中に収めて、何度でも遊ぶことがよい、と畏友が言っていた。これを聞いた時マサカと思った。じっくり後で思い出して考えた。完成した時の嬉しさは額に飾れないと云っているようである。額に入れて飾ってしまうと、もう遊べないのである。この手のお話は他にもいろいろあるような気がする。

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