七夕

 梅雨に入ってからなかなか精神的に過酷な日々を送っています。ライブはそんな中にあって僕を癒してくれる貴重な場かもしれません。
 昨日、渋谷のエッグサイトという場所でライブを行いました。4月に僕の入院で穴を開けてしまったライブの何というか埋め合わせというかお詫びのライブでありました。小峰公子は4月の僕のいないライブを取り仕切り、昨日も参加しているので僕は彼女に本当に感謝しなくてはなりません。面と向かって言うのは恥ずかしいのでこの場でこっそりと言います。「どうもでした。」
 最近、ある女優さんが亡くなりました。その方が脚本で参加していたLa compagnieA~nの「ねむれないよるのうた」の主題曲がZABADAKの「ねむれないよるのうた」でした。その曲を演奏していると、なにか胸を突くものがやってきました。続けて「光の庭で」を始めると、この曲が生まれたときの状況などが一気に思い起こされてしまい、僕は涙が止まらなくなってしまいました。ライブで自分が泣き出して歌えなくなってしまう、というのは初めての経験でした。情けないやら、恥ずかしいやらなんだかさんざんな演奏になってしまいました。でも少しだけ涙と一緒に心に澱んでいた澱のようなものが流れていったような気もします。ライブが終わり小峰にそういったことを話したら「だれか私のこともいやしてくれぇー!」と叫んでおりました。もっともだと思いました。
 昼のライブで、僕は運転もあったので打ち上げには参加しないで帰り、自宅で差し入れの焼酎でもって一人打ち上げをしました。七夕の飾りが雨に打たれてしゃらしゃら音を立てていました。

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