『彗星はいつも一人』東京公演初日

 ZABADAKが音楽を担当したキャラメルボックスの「彗星はいつも一人」東京公演の初日を見てきました。池袋のサンシャイン劇場に入っていくと開演前からZABADAKの曲が大音量で鳴っていて、うれし誇らしくも照れくさい微妙な気分になります。
 お芝居は永遠の命を得てしまった男をめぐる、悲しみや恋愛や親子の葛藤や決闘や裏切りがてんこ盛りのとても面白いものでした。昔見た映画「ハイランダー」を思い出しました。主演の西川さんはクリストファー・ランバートとは違ってどちらかといえば三枚目寄り、人情たっぷりの愛すべきハイランダーでした。
 音楽は、時に僕の思いもよらない使われ方をしていて、かなり意表をつかれました。クライマックスで剣道の試合のシーンがあるのですが、これまで殺陣の場面はスピード感のあるリズムの激しい曲を当てるのが常だったのに、今回は思いっきり静かな曲が使われていました。戦う二人の激しい動きがゆったりした美しいメロディの中でスローモーションのように見えました。感動的でありました。
そして「wonderful life」という曲でエンディングを迎えます。これでもかと涙腺を攻められましたが僕はなんとか持ちこたえました。廻りでは持ちこたえられなかった人続出であちこちからすすり泣きの声が聞こえてきました。なんだかとても「してやったり」な気分になりました。

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