スパリゾート・ハワイアン

 福島県いわき市にあるスパリゾート・ハワイアンというところに行って来ました。ここは以前、常磐ハワイアンセンターなどと呼ばれていて、まあ僕の中では伊東に行くならハトヤ、とか遊びきれない聚楽、なんかと同系列のイメージしかなかったのですが、齊藤ネコ氏が「ものすごく良かった」と絶賛するので、あのナニゴトにも厳しく滅多に誉めないネコさんが良いというのはいったいどんなところなのだろう、と確かめに行くような気分で出かけて行ったのでした。
 そしたらほんとに良かったのです。とても一泊では入りきることの出来ないほどの様々なプールや温泉の、どれもがすごくセンス良く作られていて、どれもが清潔でとても気持ちよくお湯につかることが出来ました。ふつう温泉に行ってもせいぜい2、3度、全部で一時間ぐらいもお湯に入れば十分な僕ですが、ここでは滞在時間の半分以上水の中に入っていたように思います。一週間も居たらエラ呼吸が出来るようになるかもしれません。
 夕食後、適当に酔っぱらって入った屋上に作られた温水プールで浮かんでいたら照明の美しさも手伝って、天国にいるような気分になりました。その後巨大な露天風呂にはいるとまるで「千と千尋・・・」のお湯屋さんのようでこれまた夢の中の出来事のようでした。
 そしてこんなにリラックスするのは何でだろう、と考えていて「あ、そうか」とずいぶんたってから気がつきました。ここでは何処にも音楽を流していなかったのです。ハワイアン、というからにはハワイアンを流したいに決まっていると思うのですが、そこをぐっとこらえて無音にしているその根性や良し!と強く思いました。流れるプールやウォータースライダーなんかのにぎやかなところも無音でした。ただ子供たちと若者たちと年寄りたちの歓声だけが湯気の中に響いていました。これはとっても自然で正しくて豊かなことだ、とこの上なく思ったのでした。本当のところは音響機材が故障してたせいだったりしないことを祈るのみです。
 すっかり気分の良くなったわれわれは深夜のそば屋で更に酔っぱらって行き、最後の方は本当に夢の中でした。