パソコンは悪くない

 佐世保で起きた小学6年生の児童による事件は日本全国に衝撃が走っている。
 事件がインターネットのチャットから端を発したことで、子ども達からパソコンを遠ざけたり、カッターナイフを片付けて、勝手に触れないようにしたりと、相変わらず“木を見て森を見ない”対応が目立つ。チャットは事件の背景にすぎない。ITの発展に伴って、教育現場では急速にパソコンが取り入れられた。ところが、このような事件が起きると一斉にパソコンやインターネットを犯人扱いにする変な国である。世の中のルールや人間関係を正しく教える事は、世の中が如何に変わろうとも不変である。問題がネット上で顕在化したにすぎない。むしろ、こうしたマスコミや大人の大騒ぎこそがこの国の中に「規範」のないことを物語っている。その結果、むしろそれ故に子ども達にしてはいけないことを分からなくさせている。では、「規範」をどうしたらよいのか?文部科学省がしっかりしなければならないのか、あるいは警察が取り締まらなければならないのか?他人任せで社会の規範は作れない。イラクの人質事件で「自己責任」を問題にしたあなた方や、私たちが作るしかないのである。