クリスマス

柄にもないことを書き始めたかもしれない。クリスマス寒波とかで、郡上も結構雪がふっている。この歳になるまで、クリスマスとはとんと縁がなかった。今年も、孫が帰郷していないからか、何事もなく過ぎた。
私には、少年時代にサンタクロースは来なかった。が、当時としては珍しいことではない。割合恵まれた家庭の子弟のみに、プレゼントがあったぐらいではないか。我が家では特にケーキを食べるという習慣もなかった。
それでも、子供ができてから、少しずつ変わってきたかな。まだ彼女たちが小さい時には、ケーキを食べるぐらいのことはやった覚えがある。が、ホールではなく、申し訳にショートケーキを用意したぐらいだ。勿論、イエスの誕生を祝う意味はなかった。
子供たちが自立してしまうと、すっかりもとに戻って、何もしなくなってしまう。
私が世の中のことを書くのは過分としても、バブル期には、クリスマスともなると忘年会シーズンと重なって、仕事帰りに外で飲み歩く人が多かった。仕事のみならず、遊びでも一生懸命だったのではあるまいか。
バブルを過ぎる頃から、やっと、父親が自宅で家族と共にイブを過ごす傾向が顕著になったと思う。目の裏のどこかに、彼らが帰りにホールケーキを下げている姿が残っている。彼らにとっても、家族の絆を確かめる機会になってきたのかもしれない。
周りの話を聞くと、近頃ではおいしいケーキ屋さんに予約したり、自家製のケーキを焼いたりするらしい。どこかでオードブルを仕入れて、ちょっとしたパーティを開き、カラオケやゲームを楽しんだりするという。
若者は、イブに待ち合わせて、ひっそりデートする。かつては盆踊りで、若い男女が知り合い、仲良くなることもあった。年頃ともなれば、親もはらはらしながら、見守っていたものだ。
これからすると随分様変わりだが、いつの世も若い男女が清らかに交際するのはいいものだ。節度がありさえすれば、仏教であれ儒教であれ、決して禁じているわけではない。
外国の習慣から来たなどと目くじら立てず、互いに仲良くする機会として育てていけば、これこそが日本の伝統だったと気付くだろう。