春めいてきた

すっかり春めいてきた。じんわり体が温まってきたような気がするので、数日前、バイクで那比へ行ってきた。
郡上でも杉花粉が舞っている。鼻水が出るし、目もしかしかする。それでも出かける気になったのは、私も何とか生き延びたことを喜んでいたからだろうか。年々、心身ともに冬を越すのが難しくなってきた。
我が家にとっては、新顔のバイクである。長年乗ってきたのがすっかりダメになった。あちこち故障を指摘され、それなりに納得がいったので、廃車にすることにした。それほど大事には乗っていないし、手入れもいい加減な割には長く乗ってきた。有りがたいと思っている。
新顔といっても新車ではない。分相応に中古である。それでも我が家にしては高価だったが、業者が言うとおりにした。
その初乗りなる。昼間なら体が冷えることはなさそうだし、乗り心地を試したい意味もあった。
なぜか、行き先として真っ先に那比が思い浮かんだ。道中が気持ち良いのみならず、話したい人がいたからだろう。
私にとって那比までの距離がちょうどよく、信号もないので、それほどブレーキを踏まずに走れる。新調のバイクがどうか分からないけれども、これまでは遠出するとエンジンの調子がよくなるように感じてきた。
昨年末だったか、春になったら一緒にフィールドワークをやろうと合意していた。ところが彼は、冬場に体調を崩していた。近頃ようやく調子が戻ってきたようだが、打ち合わせまではいかないだろう。延期になるかもしれない。それでも顔を合わせて、意見交換するのが何かと楽しみだ。
近頃はよほどのことがない限り、冬場に乗ることはない。山中では凍結が怖いし、例え天気が良くてもすっかり体が冷えて体調を崩してしまうことを恐れている。だが冬場に乗らないと、エンジンがかかりにくくなるし、バッテリーを消耗することが多い。
何とかこのハードルを乗り越えて春になっても、普段町の中を走るだけなので、バイク屋さんの世話になることが多い。
今回は整備が行き届いていたせいか、馬力もあり音も静かで、快適だった。那比の知り合いとは、一冬を生き延びたこと、取り組んできた課題が互いに進んでいることを確かめあった。帰路も充実していたことは言うまでもない。
このまま暖かくなるとは限らないし、杉や檜の花粉が大量に飛ぶ。まだそんなに乗らないだろうが、一応区切りがついた気もする。私にとっては、これで冬が終わったことになるのかな。