地蔵まつり次第

本日は地蔵祭りで、朝から何やかや仕事があった。大筋は恒例通りとしても、細かな手順は少しずつ変わる。郡上おどりに関心があっても、その準備がどのようなものかご存じない方が多いだろう。
朝八時、地蔵前集合。この町内では、年寄りが十分前には集まって準備を始めている。この辺りではどこも同じようだ。私も年寄りに入るので、そのころまでには行くことにしている。
ほんの二三年前までは地蔵前の空家を一軒借りて役員が宿直していたが、買い手なのか借り手なのかは知らねど現れて、使えなくなってしまった。というようなわけで、町から借りて公民館として使っているところを本部にしている。
地蔵を安置している小屋の掃除が終わると、いよいよ台の設置と幕張り。例年、これでもめる。今年は、二三度やり直すだけだったので、順調と言えるかもしれない。並行して、配線を確認するなど結構仕事がある。
旗の準備をしていると、寄付した人の名前を見ながら、「生きている人と死んだ人のどちらが多いかなあ」と感慨を漏らす人がいた。
空模様が怪しく、準備を始めたあたりで雨が降り始める。それだけ手間が増える。かつては大きなシートを掛けていたが、高い所で固定するので大きな梯子を使わざるをえず、みな高齢化した現状では危険な作業である。
近頃では、お供えの台と坊様が使う椅子を覆えばこと足りるという塩梅になった。数年前に、小さなシートを寄付してもらったようだ。
昼十二時過ぎ、各班長が本部を覗くというのが慣例になっており、顔を出す人が多い。私としても、今年はお役御免になっているが、前をすんなりとは通れない。
午後六時半、慈恩寺の坊様が来て、ねんごろに経を読んでくれる。「お参り」と呼んでいる。川で亡くなった子供の供養と安全祈願をして、手を合わせる。
午後七時、お参りの後、そのまま踊り屋台の移動、設置。踊り場が狭いので、結構細かい仕事が多い。設置後、そのまま輪に残る人はまれ。
午後八時、踊り開始。
午後九時、地蔵堂および旗ざし物の後片付けが始まる。今年は各家が描いた行燈を、町の行事でも使うということで、別途保管する。公民館の後片付けと撤収。
午後十時半、屋台の移動と踊り場の掃除。
午後十一時、やっと長い一日が終る。旗が雨でぬれたので、翌日午後に乾かす作業が残る。
地蔵まつりは、普段つき合いのない人とも親しく話せるのがなにより。今年は若い世代が引っ越して来たし、違う班だが、赤ん坊が生まれたそうな。