春の雨

雨は雨である。春の雨なら野山を潤し、田畑に恵みを与える。今年は雪が少なかった。雨を心待ちにしていた人も多かろう。一雨ごとに植物が元気になる。今年もまた同じだが、本日は少しばかり気分が異なっている。
熊本を中心に大地震が頻発している。震源域が広がっている可能性があり、予断を許さない。強い揺れが一段落し、余震が小さく、少なくなっていくことを願っている。
地震によって各地で被害が出ている。死者には哀悼の意を表し、行方不明の人は無事を祈りたい。家を破壊された人も多い。とりあえずは身の安全を図り、後に備えてもらいたい。
もともと急傾斜地など土砂崩れの危険がある地区でも、地盤が緩んで、更に危なくなっている。地割れがあれば、少ない雨でも崩れる可能性があると言う。
いくら心配でも、雨を止めることはできない。今できる最善の策を講じるほかない。
八幡では、昨日から春祭りである。土曜の夜から日曜の朝まで強い雨が降った。午前中は神輿が町内を回れない状況だった。
楽しみにしてきた子供たちのことを思えば、晴れて、神輿つりを楽しんでもらいたかった。熊本のことが気になるけれども、まあ、雨で昨日の疲れを癒せる意味があるかもしれない。幸い午後には上がり、三社の神楽がそろい踏みできそうで、ほっとしている。
また、このまま東へ移って関東で雨になることが気になっている。というのは、今日、中山競馬場で皐月賞が行われるからだ。
競馬の楽しみは人それぞれで、競馬場へ足を運びレースを実際に見るのが好きな人、競馬場へは行かないけれども馬券を握りしめて実況を見る人、馬券を買わずTVで放送を楽しむ人などなど千差万別である。
若いころは競馬場へ足を運んだことがあるけれども、数回だけで、それほどでもない。馬券を買ったこともあるが、付き合い程度である。だが競馬は好きで、TVで欠かさず見るようになって四十年以上になる。
テンポイントが酷な重量を背負って、冬場の堅い馬場を走り、骨折して死亡した。古くからのファンなら、ご存知の方が多いだろう。あの姿があまりに鮮明で、未だに脳裏から消えない。歳をとってからは余計、すべての馬が無事ゴールしてもらいたいと思うようになった。雨が降って滑りやすい馬場や、風の強い時も冷や冷やする。
我が家の屋根が古くなって、雨が降るたびに雨漏りを心配している。屋根をすっかり張り替えるには、いろいろ準備があるので容易でない。今年も一部手直しでいくか、大家を巻き込んで大騒ぎするか迷っている。
春の恵みなれど、強い雨ともなると、喜んでばかりいられない。

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