海の日

 7月20日は「海の日」である。国民の祝日として制定されたのは平成7年であるが、第一回「海の記念日」が開催されたのは昭和16年7月20日であった。由来は明治天皇が明治9年7月20日東北巡幸から「明治丸」で横浜港に安着された日という事から来ている。ちなみにこの「明治丸」は英国で建造されたわが国最古の鉄造帆船であり、重要文化財として東京商船大学酷烽ノ現存する。1854年鎖国を解いて日本は近代国家としての歩みを始めた。すなわち海洋国家の誕生(再生)であった。司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」や、最近ではC・W・ニコル氏の「盟約」など、この時代をテーマとした作品は多い。そして1945年8月15日、日本は無条件降伏によって海洋国家としても、その歩みを止めたように思える。日本小型船舶検査機高フ平成12年度の統計によれば20トン未満の船舶の登録数は約55万隻となっている。”海に閉ざされた島国”と云われても致し方ない数である。これをもって、船を持とう!と喧伝したい訳ではない。海を通じてあらゆる世界とつながっていると言う感覚を持ちたいと思っているのである。幸い、川勝平太氏の「海洋連邦論」(PHP研究所刊)のような著作が刊行されている。”この国のかたち”を「海の日」を契機に考えてみたい。

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