第三の人生-実践編

 ヨット第2作目を今年の6月頃から計画し始めた。今度はオランダのヴァンデスュタットから設計図を購入した。長さが6.5m程のクルーザーである。この事をヨット仲間に話したら、「舵」誌1989年2月号に同じ船を自作している人の記事が載っていると、教えられた。▲その人は高知市の方で、当時58歳のY氏という事が判った。7月頃、思い切って、電話案内に問い合わせ、電話をかけた。みごと、そのY氏につながっていきなり長電話をしてしまった。氏の船は5年前に完成し、来年には四国一周を計画しているとの事であった。「ぜひお会いしたい」と約束して、ようやく11月23日からの連休を利用してそれが実現した。▲氏は現在70歳、20年程前に国会議員の秘書官を退職し、高知市に戻り、数年ほど前、当市の図書館長を退職し、現在は建築関係の会社の役員をしているとの事であった。仕事の関係から3年ほど前にコンピュータで設計することを始めて、今はエクセルを勉強していると、楽しそうに話しておられた。秘書官時代に扱う数字は、その裏をとったり、疑ったりと、なかなか大変だったが、今扱う数字は合理的で裏が無いところが良いとも話された。秘書として大切なことをお聞きしたら、多くの方々と親しくなることは良いことだが、馴れ合ってはいけない。時には勇気を出して「NO」を言う事が大事なことだと仰った。そうした緊張感を癒すために植物を育てたり、ラジコン飛行機を始めたりしたのがヨットの自作になってしまったそうである。「自己満足はほんとうに楽しいですネ」「全くその通り!」(笑)瞬く間に高知の夜が過ぎていった。

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