素敵な老人

 ショーン・コネリーは好きな俳優のひとりだ。007のボンド役はやはり彼しかいないと思う。しかし巷では「大根役者」と評価はそれほど高くなかった。ジェームス・ボンドはかっこいい が、「アンタッチャブル」の警官役やその後の「ロシアハウス」など、年を経るにつれて、むしろその魅力、セクシーさは増していると思う。▲いわゆるゴールデンウィークが始まった。夜行性の筆者はビデオを何本か借りた。そのひとつに、「小説家をみつけたら」がよかった。感動を言葉に表すことはなかなか難しい。が、なんとか伝えたい。▲ニューヨークのブロンクスに住む16歳のジャマール・ウォレスは人生の問題に悩む多感な少年である。沢山の本を読み、自分の言葉を見つけようとしていた。作家としての才能があった。そして、バスケットボールの才能もあった。ある日彼の高校へ、有名な私立高校からスカウトがくる。そんな時、隠棲していた作家のウィリアム・フォレスター(ショーン・コネリー)と出会う。20代で書いた処女作がピューリッァ賞を受賞しその後作品を出版せず老後を迎えていた。そんなフォレスターにとってジャマールとの出会いは彼の閉ざされた心を開き、ジャマールにとっても人生の大きな転機になってゆく・・・・・・といった物語である。▲少年と老人の友情物語には滋味深いものがある。アル・パチーノ主演の「セイント・オブ・ウーマン」もその一つと思う。「スター・ウォーズ」の中で、ルーク・スカイウォーカーが数百歳のジェダイのもとで修行するシーンも良かった。「老人と海」のスペンサー・トレーシーについては言うまでもない。映画ではないが、「ドラゴンボール」に亀仙人が居なかったら面白さは半減していたと思う。▲これほどに老人の役割は重いのになぜか現実の世界にはクールなジイ様が居ない。だれか見つけたら教えてください。