新しい楽器

 ソプラノサックスを手に入れた。ここ三日間吹いてみているが、筋肉痛がすごい。むかーしむかし、ギターをはじめたときは指や腕が痛くなってしょうがなかったけど、新しい楽器をいじっていると、それまで使ったことのない筋肉を使うし、また、そのチカラ加減を体が知らないので、いきなり無理な使い方をしてしまう。今回はほっぺたの筋肉が痛い。美しくサックス本体を鳴らすためにはほっぺたをリラックスさせながらも緊張させ、呼気を無駄なく音に変える事が必要だ、と教則本には書いてある。そのためには自転車のスポークのように口の周りの筋肉を使い車輪の軸に当たる部分に息を集中させよ、と書いてあるのだ。なんだかたいそう難しいことのようである。そしてそのように心がけるとほっぺたがとても痛くなってくるのである。面白いことである。
 弦の張ってある楽器はなんとなくいじっているうちに使いこなせるようになってきたモノだけど、リコーダー以外の吹きモノ系は初めてなので、いっこうにコツが見えてこない。ひとしきり吹いては「ひぇー、口が痛いー!」と悲鳴を上げる日々である。これはこれで楽しいことではあるが、コツを掴むのが先か、ほっぺたの痛みに耐えられなくなるのが先か、にこの楽器をモノに出来るか否かがかかっていると言うことは確かなようだ。

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