雪かき
私の住む岐阜県郡上市は年末から大雪で、家の前の道路をきれいにかくことすら四苦八苦である。更に山奥の明宝や白鳥ではさぞかし辛かろう。ここ数年雪が少なく、スキー場の運営もままならなかったから喜んでいるかと思いきや、降りすぎてもうまくいかないらしい。
これらと比べれば、八幡の雪はさほどでないかもしれない。だが、私にとっては例の56豪雪以来である。あの頃は八幡に引っ越して間もなかったし、何棟もある大きなアパートに居て、こんな雪かきの経験はしなかった。
今は街中の古い一軒屋を借りている身であるから、家の前のみならず、屋根に積もった分も気になる。開き難くなっている戸もあるし、雨になれば重くなって屋根が落ちる心配がある。
庭に積もった雪は、どうしようもない。雪が降れば枯葉を焼くつもりであったが、これほど降ると、もう手のつけようがない。
これに加えて、私は仕事場としてもう一軒借りている。手を抜いて雪かきをやっているが、二軒分となるとヘトヘトである。隣近所も、うんざりした顔つきだ。彼らは、私が朝寝坊であることを知っているので、あまり戦力として考えていないと思う。だが、幾らか気が楽だと言っても、それなりに気は使う。
朝早くはだめでも、昼前後になれば長靴をはいてスコップを手に表へ出る。よく考えてみれば、雪かきは隣近所のみならず身の回りに居る人たちと一体感を持てる数少ない機会でもある。満更つまらないことばかり、という訳でもなさそうだ。
ここ数日、珍しく寝る前にウィスキーの水割りを一杯引っ掛けて寝ている。くたびれた体によく滲みる。