無題

新年明けましておめでとうございます。周りを見ると、雪山に囲まれていることに気づいた。なぜか、今年の正月もこれを書いている。何か新年に相応しい話題でもと考え始めたが、この歳になると旧年をなんとか無事に過せたことの方がよほど重いのであって、正月が特にめでたいわけでもない。
が、こんな理屈ばかり書いていると鬱陶しがられるのがオチだから、初詣する主な郡上八幡の神社を紹介することにしよう。
旧八幡町では、日吉(ひよし)神社、岸剣(きしつるぎ)神社、八幡神社の三社が主なもので愛宕神社や祇園神社などもある。日吉神社は吉田川の左岸にあり、岸剣神社と八幡神社は右岸にあって城山にある。
城下といえば主として殿町や本町などで、吉田川で言えば右岸、小駄良川で言えば左岸にある。
それぞれの沿革についてはよく知らない。八幡の地名が八幡神社に由来するのかどうか分からない。和良筋と繋がるのであれば、鎌倉の鶴岡八幡と関連するかもしれない。
私の住む島谷地区は、殆んど日吉神社の氏子ということになっている。島谷は江戸期には、一部新町や塩屋町などを除いて、殆んど田園地帯だった。幕末から明治以後にかけて徐々に市街地になったようで、この地区名で言うと結構広い範囲になってしまう。広すぎて島谷と番地だけではどの辺りかよく分からないので、常盤町や朝日町など、地元の人はそれぞれ通り地名を使っている。
城山の麓にある岸剣神社も古社で、なぜか島谷地区でも今もって新町と橋本町が氏子になっている。
この辺りは春祭りで、下から段々北の方へ上がってくる。八幡では四月中旬から下旬にかけて行われることが多い。これだけを見れば、美濃市などとの関連が深いように見える。八幡の祭りでは、結構子供神輿が出るが、日吉と岸剣の獅子が対峙する場面に最も心引かれる人が多いのではあるまいか。
ただ田舎ならどこでも同じようだが、経済面でも担い手の面でも、神社や祭りを維持することが難しくなってきている。
今年は感心にも、雪の中を爺婆と孫の三人で初詣してきた。祈ったところでどうなるものでもないのに、祈らずにはいられない。
新年に相応しい爽やかな気分になっていただけましたかどうか。

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