祭りのあと

子供たちに話を聞くと、郡上踊りは祭りだそうな。確かに踊り始めからかなり屋台が出るし、夏休みと重なることもあり、ロングランの祭りと感じているのかもしれない。また踊り助べえなら欠かさず輪に入り最後まで踊る。彼らにしてもどこかに祭りの感覚があるかもしれない。
この時期はまた川遊びが盛りで、あちこちで真っ黒に日焼けした子を見かける。吉田川筋ならどこでも、水遊びの子供のみならずアユ釣りとあいまって賑やかだ。周りにふわふわした観光客がいる上、夜になると「祭り」になるのだから、浮かれてしまうのも分からないわけではない。
商売をやっている人は書き入れ時ということで張り切っている。お大尽はそれほどでないとしても、ぎりぎりにやっている人や若い世代なら工夫を凝らして熱心に客を招こうとする。観光も周年にわたるようになってはいるが、何といってもこの時期に年間の売り上げを伸ばさなければ経営が成り立たない店が多いだろう。
九月に入って踊り納めも終わり、気の抜けた子もかなりいるように見える。昔も今も、夏休みの宿題は計画通りにいかず、後半になればなるほど負担が大きくなる。大慌てで宿題を仕上げ、期限内に提出できた子はなかなかえらい。堂々と未完成な課題をもっていく子もいる。いつもの情景で、悲喜こもごもである。
この辺りではなぜか近頃、運動会や文化祭などの学校行事が九月に入ってすぐに行われる。もう高校も中学校も済んでおり、小学校が残るのみだ。
中旬ともなると、中学も高校も期末テストがはじまる。夏休みボケがほどけず、そのまま引きずっている子は想像を絶する点を取ってくるという。よく考えてみれば、昔の自分を見ているようで偉そうなことは言えないがね。
間違えたところをしっかり直して、心機一転、勉強する気になってもらいたい。仮にやり始めても、数日で意気込みがしぼんでしまう子がいる。よほど気合を入れても、やる気が出てくるわけではない。無理せずやり易いものから始めるのがコツである。やる気はやっている内にしか出てこない。
自分の成績が上がらないと、人を羨ましがったり、人の失敗をみてストレスが解消したりするそうな。彼らが置かれている競争社会ではやむを得ない気もするが、やはりこれでは寂しい。
それでも田舎の子はおぼこい。人の喜ぶ顔をみて表情が緩んでいるのを見るとほっとする。本を読むにしても勉強するにしても気持ちのよい季節である。これを機に、一日でも早く日常を取り戻してもらいたい。
今日はあいにくの雨。朝から冷たい雨が降っており、長袖のシャツに、靴下を履いて丁度いい。

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