早春雜記

今朝、我が家の庭にあった根雪がすっかり消えていた。ここ数日頑固に残っていた一塊がやっと消えたのである。雪の融け方は一様でない。温かい雨が降って一気になくなることがあるし、今年のように面積を減らしながら段々地面が見えてくるというようなこともある。

寒さというのは年寄りにとって過酷だ。自転車で通勤しているので、余計に寒さが身に染みる。仕事場を温めるのにも結構時間がかかる。帰りに雪がひどいい時は厳しい自然と直接向き合っているような気分になる。帰宅した時に居間が温かいと救われる。

とは言え我が家の経済では家じゅう暖房できるわけではない。例え居間が温かいとしてもキッチンやトイレは冷蔵庫の中より冷たい。中でも風呂がもっとも厄介である。ヒートショックというのかな、急激な温度変化に耐え難くなっている。今冬から風呂にヒーターを置くようになり、脱衣所が温かくなったのは有難かった。この数日はヒーターを弱にしてもムッとする感じだ。

過ぎ去った冬を思い浮かべてみると、結構果物を食べてきたと思う。明けてからもしばらく干し柿があった。牛乳に固い干し柿を入れて温めると柿の風味がつき、中々乙なものだった。干し柿の方も牛乳を吸って柔らかくなるので一石二鳥という塩梅だった。

年末に買っておいた小さ目の酸っぱいキーウィが二月の半ばからやっと食べごろになった。美味しいものは少なかったが、それはそれである。

ここのところ朝食として果物にヨーグルトをかけて食べている。リンゴかバナナを小さめに切り、ヨーグルトをソースにして蜂蜜を入れる。近ごろ何気なく買った白桃や黄桃の缶詰にはまっている。小さいサイズのものが半分に割られて三四切れ入っている。シロップ漬けになっており、小さいものならそのまま、大きいものなら更にその半分程を小さくちぎってリンゴなどに混ぜる。日によってリンゴと桃、バナナと桃というような組み合わせになる。ちょっとした贅沢だが、これが何故か心の隙間を埋めてくれる。

更にここ二三日は頂いていた柚餅子やキンカンも少しずつ食べており、果物づくしになっている。どちらも早春の香りと言ってよかろう。数日前に買ってきたイチゴを少し頬張ってみると、甘さがほどほどで美味しかった。私は、凡そ果物は酸っぱいものが好みで、甘すぎるのを好まない。

去年は殆んど気の付かなかった花粉が、温かくなるにつれて増えてきたようだ。昨日付き添いで病院へ行った折、待合で二三度くしゃみが出てしまった。この時期だから周りの視線が気になったが、知らんぷりをしてくれて助かった。これでも例年に比べると楽な方で、軽いくしゃみに目がごそごそする程度で済んでいる。                                               髭じいさん

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