風呂上がりの飲み物

風呂上りにはどうしても水分を摂りたくなる。夏は勿論、冬も同様である。皆さんはどんな風に渇きを癒しているだろう。

家風呂もあるし、銭湯もあれば温泉もある。それぞれ心持が変わるので同じものを飲むとは限らない。或いは年代や季節によって変わるかもしれない。もっと言えばその日その日の気分によって変わる人が居るやも知れぬ。大げさな題になってしまったが、風呂上りにはどんなことがあっても牛乳を飲むという人がいたので考えてみることにした。

学生時代あたりから思い起こせば、風呂上りには出来るだけ水気を我慢してビールを飲みに行くと言うような贅沢をしたことがある。バイトの金がまとまって入った時などである。そんな事が毎度できるわけもなく、大体風呂屋の着替え場でジュースや牛乳を飲んでいたように思う。中でもなぜか冷たいコーヒーミルクを飲むことが多かった。ガラスのビンに200ccぐらい入っているもので、分厚い紙の蓋をこじ開けてゴクゴク勢いよく流し込む。

少なくとも私の世代以上は給食で脱脂粉乳を飲んでいた。味気の無い牛乳で、鼻をつまみながら一気に飲む連中もいた。飲むしかないので、私も一気に流し込んでいたように思う。これに比べたら風呂屋で飲んだ牛乳はコクがあるし滑らかで旨かった。なのになぜか殆んどコーヒーミルクだった。フルーツミルクを飲むこともあった。オレンジ味、今もあるのかなあ。

ここのところ朝食にほぼ毎日カップに一杯牛乳を飲む。悪夢の脱脂粉乳から逃れても、栄養価が高いだとか骨に良いだとかの理由が後押ししている気がする。純粋にうまいから飲むとは言えないかな。

私の場合、風呂上りに決まったものを飲んでいる訳ではない。夏は麦茶が多いし、冬は飲みさしのコーヒーを飲み干したりする。たまに行く温泉ではちょっとした贅沢をしてコーヒーミルクを飲む。甘味が絶妙で、風呂上りには特にうまく感じる。

宿に着くと浴衣に丹前を羽織ってすぐ湯へつかりに行く。温めから始めるが私の流儀で、じっくり体を温めてから露天へ出る。常宿からの景色は雄大で爽やかな空気を吸いながら世間話をするのが恒例だ。

湯から出ての楽しみはやはり飲み物ということで、あれこれ物色したあげくコーヒーミルクという事になる。今では一本丸々は多い気がするので、仲間としゃべりながら時間をかけて飲む。

コロナ禍の中ではあるが、今年も何とか温泉へ行けることになっている。今回は少し趣向が変わり下呂まで足を伸ばすことになった。風呂上がりにどうなるかは楽しみにとっておく。                                              髭じいさん

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