白の朝食

今は蜃気楼も見えない状況で日々をこなしている。好きで始めたことだから誰にも文句は言えないが、日暮れて道遠しにも程がある。楽しいという感覚もすり切れてきたように思う。人はゴールが近いにもかかわらず展望が開けないとなると、今に拘るようになるらしい。

いつ頃からか私は朝食を自分で準備する。面倒と感じることがあるものの、自分の好きなように準備できるので気楽と言えなくもない。ふと見ると、白いものが多い。

毎朝、ヨーグルトを食べている。たまに蜂蜜入りの少し甘みのあるものを食べるとしても、殆んどプレ-ンである。これを小皿に入れた果物にかける。

近ごろ果物が欠かせない。生食はリンゴやバナナのことが多く、季節のイチゴや梨などを盛ることもある。リンゴや梨なら四分の一ぐらいで、何故か皮をむいて一口サイズにする。バナナのこともあり大きいものなら半分、小さい物なら一本あたり。

缶詰なら白桃や黄桃、蜜柑が多い。甘く味付けされているので、これらを少し生食に合わせるとプレーンなので味がついて具合がよい。桃なら大体四分の一ぐらい、蜜柑なら五六包分を小皿に合わせておく。

ここのところ更に塩ゆでにしたピーナッツを数個、皮をむいて入れている。前に友人から頂いていたものを冷凍していたものだ。一つ一つがとても大きく食べ応えがある。これらに適量のヨーグルトをかけて食う。

トーストは薄切りのプロセスチーズを載せて焼くので白くはないが、焼いた後六等分したお気に入りのカマンベールチーズを載せて食う。ここ何年も白いソーサーを使っており、白のサンドイッチというような印象である。

飲み物は前日夜に飲むコーヒーの量によって異なる。大分余っている時には、そのままパンを食べながら飲む。適量になった時に牛乳を足す。少し残っているだけならそのまま牛乳を足すだけだ。すっかり飲んでしまっている日には、牛乳だけ入れて飲む。牛乳は勿論白い。これを書き始めたときはこの場合であり、印象深かった。

なぜこれほど白が多くなったのか分からない。牛乳、ヨーグルト、チーズだから全て乳製品ということで健康を意識している、というわけでもない。そう言えば飲み物を入れるマグカップもまた、土製の陶器で地味なものだが、釉が白っぽい。外側はその色が残って面白い味を出している。内側は貫入にコーヒーが入り込んで茶色く変色している。結構まめに洗っているんだけどね。

肉体は食べることで維持されている。それなりに生きているのだから、命を軽々しく語るのは控えたい。                                               髭じいさん

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