題が酒だからと言って、なにも深遠な話をしようとするのではない。年末にあたって酒を飲む機会があったから、ふと思いついたことを書いてみようと思っただけだ。
私の場合、若い時は飲み方をよく知らなかったから、幾らか乱暴であったように思う。金がありさえすれば、毎日でも、殆ど一人で酒を飲みに出かけた。しかし体調が悪いと、帰ってから、戻すようなこともあった。自分が酒に強いと錯覚していたのである。
郡上八幡に引っ越してからしばらく山仕事の真似事をしていた。だからという訳でもなかろうが、夏など、帰ってから冷たいビールを飲むのが生きがいのように思えたものだ。
ところが、仕事が変わり毎日バイクで通勤するようになると、ぱったり飲まなくなった。理由は良く分からない。冬になると路面が凍結してスリップし易くなるので、緊張して走っていたから、しらふで居たかったのかもしれない。
今は、月に一度、恒例の頼母子で飲むだけである。飲む量も少なくなり、やっと自分本来の姿が見えてきた。友人達と酒席で飲むのが楽しいのであって、酒をどうしても飲みたいとは思わない。
娘が帰郷するそうである。彼女は私より酒を飲む。一緒に飲む時など、まるで自分のほうが先輩であるかのような顔をしている。こういう時は、飲める振りをして、やや頑張るのである。

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