筆順

この閒、「髪」という字の筆順が間違っていると指摘された。気をつけているつもりなのに、それでも誤るのだから、愚かなことこの上ない。
最近は英語の「t」を書くにも「一」を先にして「丨」が後になる人もいるようで、「i」「j」でも「丶」を先に書く人も結構見かける。また「o」を下から書き始める人も見る。
ブロック体であれば、どちらを先に書いても、どこから書いても最終の字形が誤解されない限り、左程問題はないように思われる。学校でも殆どブロック体を使うようであるし、それで困らないのであれば、細かいことを言う必要はない気もする。
ただ筆記体だと、「t」及び「i」「j」の「一」と「丶」が後になるから、多少戸惑うことになるかもしれない。「o」は下からでは無理である。将来筆記体でも書きたい人は、従来の筆順の方がスムーズに運べることは確かである。
漢字はどうだろう。「右」「左」などの場合、楷書体であれば、「一」を先に書いても「丿」を先にしても出来上がった字形は左程変わらない。ところが草書体など字を崩すときには、筆順が大事になってくる。まあ、英語の「t」「i」「j」「o」などと同じように考えてよかろう。
私は「必」を書くのに、「心」から始めて、「丿」を後で入れる。これは中国式らしい。日本では標準として「丶」から始めるのをご存知の方も多いだろう。又「戈」などでも日本と中国では筆順が異なるようだ。
近ごろ私は、年賀状などを除いて、横書きが多い。横書きでは草書体や崩し字を書くことが少なく、書き順の必然性が薄れてきているようにも感じる。
英語を筆記体で書きたい人や漢字を草書体までしっかり学びたい人にとって筆順は大切だとしても、そこまで行く気のない人にとっては、うるさく言われるのが鬱陶しいかもしれない。
日本における漢字の筆順が必ずしも全て正しいというわけではなさそうだが、微妙なものはさておき、同じ手間なのだから、私はできるだけ筆順に拘って書こうと思う。

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