肩が冷える

今冬初の寒波と言ってよいか。郡上でも週末から雪がちらつき、今朝は相当積もっていた。郡上弁では、「よこいた」ことになっている。
この時期になると暖房が欠かせないが、私の部屋に暖房器具はない。寝る前に湯たんぼを用意してもらうぐらい。
部屋は北向きで、しかも、頭を窓へ向けて寝ている。私はゲンをかつぐことがあるものの、北枕は気にならない。ただ古い家のこととて、隙間風を避けようがなく、朝になると部屋が凍りついている。朝方には湯たんぼの加減がほどよくなっており、これにまとわりついているとそれなりに布団の中は快適だが、足元と比べどうしても肩が冷えている。
四十代だったか、五十になった辺りだったか、腕を肩より上に挙げられないことがあった。その当時よく耳にした四十肩だか五十肩と思ったか、運動したり湿布したりもしたのに、結構長引いた記憶がある。
何かの折、はたと、肩が冷えるためではないかと気が付いた。肩に違和感をもったり、凝ったりするのは原因がいろいろだろうし、誰にでもあてはまる対策だと言うつもりはない。あくまで、私の場合である。
家計にゆとりがあれば、一晩中部屋を暖めておくこともできる。また子供が寒そうにしていれば、経済状態はどうあれ何とかしてやろうとするかもしれないが、自分自身にそれほど投資する気にならない。子供がいなくなった今、我が家では無理な相談。
かようなわけで小賢しい対策を講じるほかなく、長年の事とて、冷え対策の歴史が生まれることになったのである。
毛布を引っ張り、首や肩を覆うなどは初心者のやることで、これではさほど暖かくならないし、引っ張りすぎると足元が冷えてくる。湯たんぽを上にあげて肩に近づけても、片方しか解決しない。
やむにやまれず、綿入れを着たまま寝るようなこともあった。この上に毛布をかぶるのである。さすがにここまでやると、肩の冷えはなくなり、快適なこともあった。
が、着ぶくれした状態なので、動きづらい。また外気を遮断しすぎて、汗をかくことが多かった。びっしょり濡れて気持ち悪いし、段々体が冷えてくる。やむを得ず、下着を変えなければならない。着替えても、しばらく冷たい下着が恨めしい。
うっかりそのままにしておき、すっかり冷えて風邪をひいたこともあった。布団の中には、ある程度、通気性が必要なわけだ。
今なお解決法は見つかっていない。綿入れをただ肩にかけるだけにし、その上に薄めの毛布をかぶって寝ている。割合これが快適で、風邪を引いたり、肩が冷えたりということは少なくなっている。今のところ、腕が上がるし、ちゃんと雪かきをする。

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