ほこり
「誇り」ではありません、「埃」のほうです。「埃」では土埃を連想しそうなので、今回はあえて平仮名を選んでみた。
毎日かまっているパソコンの調子がよくない。モニターに静電気のような線がしょっちゅう走るし、ワードのいろいろな機能が一発で決まらないことが多くなってきた。これはやばい。
すぐに買い替えのことが頭に浮かぶ。金がかかることが痛いし、いろいろ覚えさせるのも大変だ。
何とか生きながらえさせたい。近ごろパソコン周りの掃除を滞っていることが気になっていたものの、実際には画面を拭いたりする程度で、日々の入力を優先してきた。調子が悪いということになると、あれこれ気になるところが出てくる。
取りあえず周りの掃除から始める。本棚のほこりが、辺りが白くなるほど溜まっている。大掃除でもないので、はたきを使うことはできない。雑巾を濡らして堅く絞り、少しずつ拭いていく。勿論こんなことで調子がよくなるはずがない。
モニターからキーボード、本体へと移っていく。心配なので電源を切ってある。キーボードの掃除は、掃除機を使ってキーの裏側まで吸い込む。糸くずなどと共にお菓子の滓が出てくる。既に幾つかのキーは表面の文字が消えている。こんなもの新しくすればよいのに、何となく愛着がある。掃除した後は、何となく軽いタッチで打てるような気がする。
さて本体だが、分解して掃除する気にはならない。中を覗き込むと、空冷で回っている羽の周りが酷いことになっている。掃除機を最強にして、なめるように吸っていく。次から次へと白い糸くずとほこりが吸い込まれてくる。今回は、危機感があるので徹底して掃除した。
そうしてスイッチを入れてみたが、やっぱり状態がよくない。たとえ立ち上がっても画面が黒くなってしまい、頭の中がまっ白になってしまう。これはもう駄目か。
諦めきれず二三日繰り返してみたが、やっぱりよくならない。こうなると、私の手に負えない。ふと、二階のエアコンを思い出した。やはり調子がよくないのでいろいろやってみたがうまくいかない。それが何と、コンセントとその周りを綺麗にしたとたん順調に動き始めたことがあった。電源との接触が悪かったらしい。そこで、電源辺りを念入りに濡れ布巾と掃除機でほこりを取ってみた。
すると、順調に起動しはじめた。何のことはない、普段の横着が原因で一気に不調になっただけだった。それから数日たっても、それなりに動いている。
ただ、私のように、もたもたした状態まで治ったわけではない。限界に近付いているのは間違いなさそうだ。