天気は移り気だ。雨のことは雨が降っている時に書くのがよいらしい。これまで連日雨が降っていたのに、今日は晴れているので、アイデアが湧かないような気がする。
梅雨らしいと言えばそれまでだが、結構降っていたので、何だか有難いような気がしていた。この冬は雪が少なかったし、春からこちらまとまった雨が降らなかった。
とは言え、日本はそんなに狭くない。列島には島が連なっているわけだから、これを面で考えると、相当な広さである。ここで降らなかったとしても、かなり降ったところもあるに違いない。この頃になると、土砂崩れなどで災害になることがある。平穏であってほしいものだ。被害を受けた人の目に留まる可能性もあるから、筆法は慎重にならざるを得ない。
というようなわけで、以下は中部圏を連想していただければいいかな。郡上でも、今冬は雪が少なかった。スキー場では人工雪でやっと滑れる時期が長かったと記憶している。確かに、周りの山が白一色になることが少なかった。春から初夏にかけても降水量が少なかったし、例年なら雪解けで川の水量が増える時期も、今年は目立たなかったように思う。
私はほとんど毎日、吉田川を眺めて暮らしている。自然の営みは一日といえども歩みを止めない。水が多いか少ないかは一目瞭然である。ちょっと蒸し暑いだけで川を思い浮かべる子供程ではないとしても、河底にある苔の色で何となく水温も分かる。
今は泥をかぶったように赤茶けている。川底が浅く、日射が届きやすくなり、水温が結構上がっているのではなかろうか。
私が知るだけでも、ここ三十年ほどの間に、町中を流れる吉田川本流の様相が随分変わった。島谷用水の取り入れ口にある堰堤より下では、水が中央へ流れるようになり、相当掘れている。大水が出たり工事で川床を触ると、すっかり流れが変わる。本年度、護岸工事のため流れが更に中央に集められて細くなり、より深く削られているように見える。
今年度は町内の重い職を解かれているが、防災関連の仕事を一部任されている。水防の連絡係を仰せつかっている。我が町内には吉田川本流の他にも赤谷川、乙姫川が流れており、相応の責任を感じる。大雨が降ると、土砂を含んだ茶色い水が怒涛の勢いで流れてくる。私がこの地に来てからでも、赤谷川が溢れたことがある。あの時は我が家の手前まで水が迫ってきた。
長良川にしても吉田川にしても、堤防が完璧ではなかろうから、何かと気になることが多い。大水が出ると、流れが予測できず、これまでの経験則が通用しない気がする。
いろいろ心配事があっても、しっかり雨が降って川床を洗い、まっさらな苔が生えることを期待している。

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