郡上の諏訪神社
郡上でも馴染みの薄い人が多いのに、なぜこんなレアな話をするのか分からない人が多いと思う。それでも書きたいと思うにはそれなりに理由がある。信仰は国家のみならず個人にとっても重要で、一般に多神教とされる本邦においても疎かにできない。私が知る限り、郡上における諏訪神社は旧東村を含めて四か所である。白山神社と比べれば微々たるものであり、それぞれの神社も小規模なので見過ごしてしまうかも知れない。それでも全てを回った訳ではないから何をかいわんや。
近頃気になっているのが祖師野八幡宮である。この前「祖師野の森」(九月28日付け)で郡上おどりの「かわさき」に出てくる「四本柱を中にして」を紹介した。数ある八幡神社で拝殿または本殿で丸太がむき出しの「四本柱」は珍しい。なぜ祖師野だけがそうなのか。
先週仲間と連れ立って温泉旅行へ行って来た。岐阜県では新型コロナが一服して、段々外へ出る気運が高まっている。我々としてもこれに乗って、冷えた体を温めようと勇んで出かけた。一年ぶりに顔を合わせる組み合わせもあった。各々の体調管理は勿論のこと、全員マスクをしていたのは当世風である。
常宿へ行く道中、前から頼んでいた鬼谷(おんだに)の諏訪神社、連絡に齟齬があった祖師野八幡宮を午前中に何とかこなせたが、午後行く予定にしていた飛騨川筋の萩原諏訪神社へは行けず、小坂の諏訪神社へ行くことになった。
小坂へは行きたいとは思っていたが、言い出せずにいたので訪問できたのは望外だった。腹ごしらえもできており、じっくり観察できたのは幸いだった。拝殿にある四本柱の材質やら太さ、柱間の幅などを計測するに及んで、確信に近い印象を得ることになる。祖師野八幡宮のそれと深いつながりがあることは明白だ。むき出しになっていた本殿の下やら周りを舐めるように回った。
約束の時間にやや遅れてホテルに着くと、準備をしてくれていた友人が待ち受けており、ホテル側の配慮で消毒液の配布があったりした。充たされた気分で、いつもの湯につかるのは格別だった。
翌日はチェックアウトを済ませ、前日行けなかった萩原の諏訪神社へ直行した。グーグルマップでは「諏訪城」としか載っていなかったので見逃していた。あらかじめあると聞いていた本殿の四本柱は確認できたが、細かな情報は手に入らなかった。
飛騨筋に詳しい友人の薦めで上呂の久津八幡宮へ立ち寄ってみた。これがまた望外の成果を生む。拝殿の中に立派な四本柱があるではないか。前回寄った時には別のテーマが気になって見落としていた。久津八幡宮と祖師野八幡宮とは深いかかわりがあり、それぞれ久津神、諏訪神の上に八幡神が被っている構造がはっきりしたと思う。結論らしきものを先に書くことになった。少しづつ明らかにしていきたい。 髭じいさん