温泉

今度、仲間とある温泉へ行けることになった。と言っても、有名な温泉地ではないし、特にうまいものが食えるわけでもない。
雪が積もっていても自転車で仕事場へ行く私には、「温泉」の響きは心地よい。ただ湯につかるだけでも疲れが取れるような気がする。その上、長年付き合っている友人とゆっくり話ができるから、贅沢だとは承知していても、どうしても行きたくなる。
子供が修学旅行を楽しみにするのとちっとも変わらないのである。
私は年に一度、寒い時期に、仲間二人と近場の温泉へ行くのを恒例にしている。私は寝坊だから、昼近くに迎えに来てもらい、もう一人を拾って三人で行く。途中で昼飯を食ったり、ゆっくり喫茶店に入ったりして、夕方温泉地に着く段取りが多い。
ところが、今年はいつもの三人の他に二家族が加わり、大勢の大旅行になってしまいそうである。更に人数が増える可能性もあるらしい。目的地は同じでも、人数が増えると気を使うことも多くなる。私は、生来迂闊な人間で、人の機微に疎い。人の機嫌を損ねたことすら気づかないこともある。これは大変だ。
但しこの歳になると、子供が皆大きくなって我々に付き合うことも無くなり、大人だけの旅になる。この点が、救いと言えば救いである。また現地集合になりそうで、途中それぞれがそれぞれの楽しみ方をするらしいから、いつも通りたっぷり湯につかって世間話をするだけでよいかもしれない。
それでは、雪の露天風呂を連想しながら、行ってきます。そうそう飛騨路はお茶と漬物が旨いぞ。

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